最終更新日 2022-10-06
日本屈指の観光地である京都。毎年、次々と新しいホテルが建ちますが、今回は2022年4月1日に開業したばかりの「ノーガホテル 清水 京都」に宿泊してみました。
客室やレストランはもちろんのこと、ルーフトップバーや珍しいメディテーションルームなど、宿泊記を通してホテルの魅力をたっぷりお届けしますので、ぜひ次回の京都旅の参考になれば嬉しいです。
記事の目次
ノーガホテル清水京都について


2022年4月1日に開業したばかりの「ノーガホテル 清水 京都(NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO)」は東山エリア・五条坂のふもとにあります。
京阪電車「清水五条駅」からは徒歩7分ほど、JR「京都駅」からはバスで15分ほどの「五条坂」で下車し、3分ほど歩くと到着します。世界遺産にも登録されている清水寺までは徒歩10分ほどと、観光アクセスもいいです。
ノーガホテルのブランドコンセプトは「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」であり、「ノーガホテル 清水 京都」は「ノーガホテル 上野 東京」「ノーガホテル 秋葉原 東京」に続く3軒目、関西初の出店となります。
ノーガホテル清水京都のおすすめポイント


観葉植物であふれるホテルの玄関。中へ一歩入ると、カウンターやロビーラウンジのスタッフの方々が気持ちのいい挨拶で迎えてくれます。


ロビーラウンジはガラス張りで、開放感のある明るい空間。


ロビーから併設のベーカリーまで木の柱で繋がっていたり、チェックインカウンター周りが植栽で彩られていたりと、温かみも感じます。
それでは早速「ノーガホテル 清水 京都」に実際に宿泊した際に感じた6つの魅力をお伝えしていきます。
地域の伝統工芸士などとコラボしたオリジナルプロダクトの数々


ホテルのブランドコンセプトに関連していますが、「ノーガホテル 清水 京都」の魅力の一つとして、近隣地域の伝統工芸士や企業とコラボしたオリジナルプロダクトが多数用意されている点が挙げられます。
たとえば、このカードキーもその一つ。日本唯一の手摺木版和装本を刊行する「芸艸堂(うんそうどう)」によるもので、鮮やかで遊び心あふれる絵柄です。
客室紹介と合わせて、こうした「こだわりの品々」もご紹介していきます。


今回宿泊したのは「デラックスダブルルーム」です。客室は31㎡と広さがあり、入り口からはまだ客室全体の様子が掴みきれません。


ひとまず目に入ったペンダントライトが素敵だったので何気なく近づいてみると、なんと花びらのような模様が見えます。抹茶碗で見たことがある花結晶なのですが、このペンダントライトは京焼・清水焼窯元「陶葊」によるものでした。


客室左奥にはキングサイズの大きなベッドがあります。睡眠科学を基に開発されたシモンズ社のベッドは体を包み込む厚みが特徴で、適度な弾力感があり、とても眠りやすかったです。


ヘッドボードにはライトやコンセントが集約されているので、スマートフォンやカメラが充電しやすいです。そして鉄のような光沢を放っているこのヘッドボードは西陣織に欠かすことができない引き箔を製造する老舗「西村商店」によるもので、インテリアの一部としての引き箔の新たな魅力に触れることができます。


客室の右奥にはソファースペースがあり、壁掛けテレビでは周辺案内やレストランの混雑状況を確認することもできます。




その奥のクローゼットを開けると、美しいハンガーと洋服ブラシがかけられています。こうしたちょっとしたアイテムも素敵なものだと嬉しいですよね。こちらはデザイン会社「SyuRo」と漆工芸の工房「牧野漆工芸」により製作されています。


中央のミニバーには、ペッドボトルのお水と宇治茶が用意されています。


気になったのは、指がフィットして持ちやすいよう凹みがあるカップ。清水焼の陶房「トキノハ」によるものでした。


ミニバーの上に置かれている、鈍く光るメモパッドやティッシュボックスの落し蓋も清水焼。こちらは陶房「嘉峰陶苑」によるもので、重厚感がありつつも、手作りのあたたかみを感じます。


和紙と筆ペンも用意されているので、一日の終わりに想いを綴る体験をすることもできます。


さらにBluetoothスピーカーも設置されており、オーディオメーカーの紹介文が用意されているほど、音質にもこだわっていることが伺えます。


洗面台がオープンに設置されているのは珍しいのではないでしょうか。


「嘉峰陶苑」による清水焼のトレイの上にはアメニティがまとめられています。化粧水などのスキンケアアイテムは用意されていませんが、希望者はフロントにてOSAJIの基礎化粧品セットをもらえます(無料)。


タオルは今治タオルが用意されているので、ふわふわの肌触りに、抜群の吸水性です。


バスルームも広々としており、浴槽も身長150cmの私だと、足を伸ばしてもまだ余裕があるほどです。


可動式のシャワーヘッドに加え、雨のように降り注ぐレインシャワーもあるので、使い勝手もいいです。


コスメティックブランド「OSAJI」によるバスアメニティが備えられており、安らげるようにと、ティーツリーなどが含まれる「IKOI(憩い)」の香りとなっています。


ルームウェアは「アトモスフェール・ジャポン」によるもので、柔らかい生地で着心地がいいガウンタイプ。インテリアに合わせ、清水焼で古くから使われている呉須をイメージした落ち着いた色合いとなっています。


ふかふかのスリッパとともに、お風呂上がりも快適に過ごすことができます。


ドライヤーバッグは家紋を専門にデザインする「京源」によるもので、正円と直線のみで構成されている家紋からインスピレーションを受け、デザインに落とし込まれています。
オリジナルプロダクトのすべてを紹介しきることはできませんが、滞在中に「素敵だな」と思ったものがあれば、その作り手のお店を訪れてみるのも旅の楽しみ方のひとつではないでしょうか。
ベーカリーやカフェも併設されたロビーラウンジ


チェックインの際、ウェルカムドリンクと交換できるコインをいただいたので、レストランへ。そのままレストランでいただくこともできますが、温かいドリンクが欲しい旨を伝えると、ロビーラウンジにあるカフェにて紅茶を用意していただけました。


「ノーガホテル 清水 京都」のロビーラウンジは、カフェやベーカリーが併設されていたり、パソコン作業がしやすいコンセント付きのテーブルが中央に置かれていたりと、共有部はかなりオープン。


実際、自転車に乗ってご近所の方がパンを買いに来られる姿も滞在中に何度か目にし、宿泊客に限らず、誰もが気軽に利用できる雰囲気となっています。
■ベーカリー:8:00-18:00
■カフェ:8:00-21:00
瞑想をはじめとする文化体験の数々
メディテーションルームでの瞑想体験


ホテルのブランドコンセプトに再び関連しますが、「ノーガホテル 清水 京都」では様々な「文化体験」も用意されています。
中でも心惹かれたのが、地下1階のメディテーションルームで行う「瞑想体験」です(宿泊者は事前予約制にて、無料で楽しめます)。
瞑想体験は、建仁寺の頭塔「両足院」の副住職・伊藤東凌さん総合プロデュースによる30分のプログラム。丸みのあるメディテーションルームは、母体や胎内回帰を表しており、己をリセットし、再構築する場となっています。


体験時には専用のカードキーとスマートウォッチが貸し出され、スタッフの方からプログラムの案内を受けた後は、完全プライベートでリラックスして過ごすことができます。


スマートウォッチを身につけると、自身の脈拍と連動して間接照明が灯る仕組みとなっています。ちなみに、脈拍が60前後になるとリラックスできている状態だそうです。
「Sagan(左岸)」がテーマとなっているプログラムで、開始されると、鴨川左岸で収録された自然音や両足院の庭を掃く音などが流れてきます。


静かに瞼を閉じ、呼吸が整ってくると、360度から聞こえてくる音楽に身を包まれ、まるで無限の宇宙への旅に出たかのような不思議な感覚に陥ります。
薄く目を開けたまま座禅を組んでいると、見えるのは表現にザラつきのある独特な雰囲気の水琴窟。陶器なのに、地球のものではない、まるで隕石を連想させるような風体ですが、この水琴窟からは澄んだ音が聞こえてきます。
あまりにも心地が良くて、音楽が終わっていたことにも気づかないほどでしたが、素敵な空間・時間を過ごすことができました。


メディテーションルームでは座禅の組み方などの案内はありませんが、客室のテレビでは「客室でできるメディテーション体験」を観ることができます。座禅や瞑想が初めての方は、事前に伊藤副住職の解説動画を観てからメディテーションルームに行かれると、より有意義な時間になるかと思います。
メディテーションルーム
■受付時間:7:00-22:00(最終受付21:00)
■事前予約が必要(フロントにて)
■プログラム自体は30分ですが、ルームの予約枠としては約1時間確保されているので、音楽が途切れた後も時間が許す限りはゆっくり瞑想を続けることができます。
客室での文化体験


メディテーションルームとは別に、客室で楽しむ体験としては次の5つが用意されています。
- 客室で楽しむ抹茶体験(1,500円)
- 客室で楽しむコーヒードリップ体験(1,500円)
- 客室で楽しむアロマ調香体験(1,500円)
- 旅の疲れをほぐすストレッチプログラム(無料視聴)
- 客室でできるメディテーション体験(無料視聴)
どのプログラムも京都にゆかりのあるお店や人物とコラボレーションしてつくられており、それぞれ約7〜12分の動画解説を観ながら自分のペースで体験できます。


今回はアロマ調香体験を選んでみました。3タイプから好きな香りを1つ選ぶと、体験セットが手渡されます。


ビーカーやトレーは返却しますが、可愛い袋に入ったアロマオイルは持ち帰ることができます。今回は「バランス」タイプの香りを選んだので、ベルガモット、ラベンダー、フランキンセンスの3種類が入っていました。


あとは動画を観ながら好みの香りに仕上げていくだけ。完成したら、紫色のオリジナルのムエットにオイルを垂らしてベッド脇などに置いておけば、自分好みの香りに包まれながら滞在することができます。
幻想的な時間を過ごせるルーフトップバー


「ノーガホテル 清水 京都」の最上階にはルーフトップバーがあり、東山、清水寺、京都タワー、比叡山の山並みなど、京都市内を一望できます。


当日はお天気に恵まれたこともあり、夕方に訪れると、美しい夕焼けを眺めることができました。バーカウンターに飾られたランタンの灯りも、幻想的な雰囲気を演出しています。
ビーフィーターのコンペティションにも入賞したバーテンダーがいらっしゃるので、ぜひ美味しいカクテルを味わいながら、贅沢な時間を。


わたしはアルコールが飲めないのでソフトドリンクをいただきましたが、木のストローが添えられており、ホテルのサスティナブルな取り組みの一環に自然と参加することができました。
各テーブルには火が焚かれ、ひざ掛けも貸してもらえるので、気温が下がっても心地よく過ごせます。


日の入り後のマジックアワーでは、特有のオレンジ〜ブルーの綺麗なグラデーションを楽しむこともでき、大満足。タパスをつまみながら、このままルーフトップバーで夜を過ごすのもいいですね。


なお、翌朝に再訪してみると、8:00〜13:00まではフリースペースとして開放されており、パンのイートインなど、自由に利用可能となっていました。
ルーフトップバー
■13:00〜23:00(LO 22:30)
■雨天時はClose。当日の営業については、毎朝10時に公式Twitterにて投稿されます。
活気あふれるレストランでの夕食


イタリアンをベースにしたレストラン「CICON」ではアラカルトメニューが用意されており、ジョスパーオーブンを利用した炭火料理や和の要素を取り入れたセビーチェ、オーダーしてからスライスされる生ハムなど、好みに合わせて様々な味を楽しむことができます。


間接照明によりムーディーな雰囲気となっていますが、オープンキッチンであることと、スタッフさん同士の印象的な掛け合いが合わさって活気にあふれているので、家族や友人とも会話しやすい雰囲気となっています。


ジョスパーオーブンを利用した炭火料理は翌朝の朝食メニューに含まれていたので、今回はタパスとパスタのメニューから注文。


しっかりめの味付けで、黒トリュフやポルチーニの香り、ジューシーなイベリコ豚の旨味を味わうことができました。サービス料もドレスコードもなく、気軽に楽しめるレストランです。
メインプレートを選べる朝食


翌朝、朝食をいただきに再びレストランへ。昨夜は照明の影響で全体がよく見えませんでしたが、店内に100席、テラスに20席と、ゆったりとした空間であることが分かりました。


当日は少し肌寒かったので店内にしましたが、爽やかなテラス席には藤の花なども咲いていて、朝も夜とは異なる素敵な雰囲気です。


「モーニングプレート」では、ジョスパーオーブンの炭を熱源としてじっくり調理された、お肉かお魚のメインプレートのいずれかを選べるようになっており、今回はお魚を選択。
サーモンの美味しさもさることながら、京都産季節野菜のジョスパーグリルが美味。食欲をそそる炭火の香りと、引き出された野菜の甘みはちょっと驚きです。


もう一つの楽しみは、選べるパンの数々。豆腐とサワークリームによるディップが添えられたカンパーニュは最初にサーブされるのですが、その後も席に色々なパンを持ってきてくださいます。


ロビーに併設されたベーカリーで毎日作られるパン。味だけでなく、どのパンにしようかと選ぶ楽しみもあります。完食できそうな方は、ぜひ全種類味わってみてはいかがでしょうか。
レストラン「CICON」
■朝食:7:00-10:00(LO 9:30)
■昼食&夕食:11:00-22:00(LO 21:30)
ノーガホテル清水京都に実際に宿泊した感想


開業したてなのでどこも新しく綺麗なのはもちろんですが、上質で洗練され、五感が刺激されるホテルでした。
客室が伝統工芸士などとコラボしたオリジナルプロダクトで満たされていたり、画廊に見立てられた各階の廊下に個性的な美術作品が飾られていたり、音質にこだわり高品質なオーディオが各所に設置されていたり。メディテーションをはじめとする文化体験プログラムや、ルーフトップバーで感じる光・熱・風、炭火の香りが食欲をそそるレストランもその一つです。
その他、挨拶が徹底されているだけでなく、気さくに話しかけてくださるスタッフの方もいらっしゃり、快適な時間を過ごすことができました。
ノーガホテル清水京都で素敵な時間を♪
照明・食器・ルームウェアなど、京都のこだわりの品々を実際に使いながら過ごす贅沢な時間。「ノーガホテル 清水 京都」で五感を刺激されながら、素敵な時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。