最終更新日 2022-03-09
記事の目次
世界遺産のある町・古都奈良
かつては文化の中心地として「藤原京」、そして「平城京」と日本の首都として栄えた地域「奈良県」。
一般的には奈良といえば「東大寺の大仏」「奈良公園にいる鹿」・・・他には一体何があるの?
と思われがちかもしれませんが、じつはここ数年、新しいホテルのオープンが続いているのをご存知でしょうか。
今回はその中から、2021年9月16日にオープンした、「MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS」をご紹介します。
MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS
2021年9月16日にオープンした、「MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS」。
奈良観光の中心となる近鉄奈良駅から、徒歩約10分。
古風な街並みが残る人気観光地「ならまちエリア」と、観光のマストスポット「奈良公園」の間に位置する、奈良観光には最高の立地です。


まずホテルの外観で目を引くのが、大きな丸太を大胆に取り入れたこちらのエントランス。
近くで見るとより迫力を感じられ、何かみなぎるパワーを感じます…!


吉野杉の丸太や飛鳥石、奈良の土を用いた版築工法による土壁を大胆に配しており、
“はじまりの地”奈良に相応しい、魅力が感じられる空間になっています。


エントランスを通り抜けると、すぐにチェックイン。
チェックイン/チェックアウトは、セルフ方式のニューノーマルオペレーションとなっています。


予約情報を入力するとルームキーや朝食券が自動で発行されるので、そのまま客室へ向かうことができます。
もちろん近くにスタッフの方もいらっしゃいますので、何か分からないことがあればすぐに対応いただけますよ。


ナイトウェアやアメニティはチェックイン機械のすぐ近くに用意されています。
客室には常備されていないので、自分が必要な分だけを持っていくようにしましょう。


地下1階、地上4階建のこちらのホテル。今回私が宿泊した客室は3階でした。
部屋にたどり着くまでの道も、明かりを落とした心落ち着く空間となっています。
全44室、計7タイプの客室
全44室ある客室は計7タイプに分けられており、それぞれ奈良ならではの良さが感じられる作りになっています。
広い順に、Junior Suite、Superior with Mt.KASUGA View、Superior、Moderate Loft、Moderate、Standard Queen、
そして地下階にある特別な客室が、The Roots of Nara(Superior)です。
Standard Queen


この中から今回私が宿泊したのは、「Standard Queen」。
7タイプの客室の中でも最もコンパクトな造りとなっており、1人旅やカップルステイにぴったりのサイズ感です。


シックなグリーン調のカラーで統一されたお部屋は、心がほっと安らぐ空間。
客室(2〜4F)の窓からは、世界遺産・興福寺五重塔を望むことができます。


客室全体はコンパクトながらも、バス・トイレは別になっているのも、嬉しいポイントの一つ。


備え付けのドライヤーは、人気の美容家電ブランド「SALONIA」。
ホテルそのものの空間を乱さないシンプルなデザインが、客室のカラーともマッチしています。


携帯電話が充電できるケーブルやアダプターが用意されており、うっかり忘れてしまった時も安心です。
USBポートが2つあるので、携帯だけでなくカメラのバッテリー充電などが同時に行えるのも地味に嬉しいですよね。
また、海外のお客様に向けて、海外用の変換プラグも用意されていました。
“The Roots of Nara”(Superior)


地下階にあるこちらの客室は、吉野杉の丸太を大胆に用いているのが特徴。
客室の名前 “The Roots of Nara” のその名の通り、“はじまりの地”である奈良のルーツを肌で感じられる造りになっています。
大きく太い吉野杉の丸太を大胆にもそのまま柱に使用しており、さらにカウンターテーブルやナイトテーブルにも吉野杉が使われています。


地下階なので窓からの景色が気になるところですが、吉野の山肌が景色として再現され、より奈良を感じられるように設計されています。
フロアベットが2つ、畳にエキストラの布団を敷いて最大4名まで利用可能です。
CAFE&BAR MIROKU TERRACE
建物の1階に併設されている「CAFE&BAR MIROKU TERRACE」。
宿泊ゲストはもちろんのこと、カフェのみの利用も可能です。
若い女性やカップルを中心に、この日も絶えずお客様がいらっしゃってました。


オーダーはモバイルオーダー式で、メニューにあるQRコードを読み取って注文します。
お会計の際は、メニュー表をレジに持っていくことを忘れないようにしましょう。


注文したのは「昼のほうせき」というジャンルの中のメニュー「鹿のビスケットと和のグラノーラ」。
「ほうせき」とは、奈良の古い言葉で「おやつ」の意味だそう。
テラス席で過ごしていると、時間帯によっては鹿たちが遊びに来ることもあるそうです。
残念ながらこの日は出会えませんでしたが、タイミングが合えば一緒に写真が撮影できるかも?


日が暮れてくるとぐっと雰囲気が変わるのも魅力的。
一気にムーディーな空間へと変わり、夜はバータイムをまったりと過ごすのもおすすめです。
奈良の地酒、ビール、果実酒などが用意されています。


もちろんテラス席以外にも、お席は用意されています。
一度席に着くと他の席への移動は難しいので、外で写真を撮影したい方は最初からテラス席を選んでおくのがおすすめです。


カフェでは、奈良の特産物を使って作られた様々な商品も販売されています。
奈良の食材を使って作られたジャム、吉野杉で作られたお箸など、お土産にも最適。
季節によってラインナップが変わるので、気になるものを見つけたらぜひ手に取ってみてください。
館内で触れるアート作品


ホテル館内のあらゆる場所で、数々のアート作品に触れることができるのも、「MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS」の特徴の一つ。
カフェスペースにあるのは、稲藁を用いて作られたこちらの作品。
稲藁は、しめ飾りのように編むことで姿を変え、暮らしの中で使われてきました。
本作品は、藁の1本1本を線とみなして描かれています。


地下1Fにあるのは、本堀雄二氏による「弥勒 MIROKU」。
こちらの作品、なんと日常生活の中で私たちが使い終わった段ボールやチラシなどの素材から作られた仏像なのです。


近くで見ると元の素材が何だったのかが分かります。
リサイクルやサステナブルという言葉が当たり前になる世の中ではありますが、
“仏像”という新しい生命に生まれ変わるのは何か心が動かされるような気がします。


同じ地下1Fには、石庭を思わせるゲスト専用ラウンジが完備。
吉野杉や飛鳥石といった奈良の素材を用いて作られており、古代と現代が融合したような特別なひとときを過ごせます。
ティーセットも用意されているので、観光で歩き疲れた時や、お部屋に戻る前にほっと一息休憩したい時にぴったりです。
地域食材がふんだんに使われた絶品朝食


朝食は、奈良の地域食材がふんだんに使われた和食・洋食の2種から選ぶことができます。
食事の監修は、奈良を代表し、今や全国に名を馳せる「くるみの木」が手がけており、どれもこだわりのものばかり。
今回私は、和食をチョイスしました。
素材の味をそのまま楽しめるよう、本来の味を邪魔しない程よい味づけが、口の中に優しく広がります。
普段なかなか朝ごはんを食べない人にも、ぜひここの朝食は食べてほしい。
この朝食の時間で、1日の充実具合がきっと変わる、そんな気持ちにさせてくれる絶品の朝食です。
ホテル周辺をふらっと散歩


1日目の夜、ホテルの周辺をふらっと散歩に出かけました。
少し歩くと「猿沢池」へと行き着くのですが、この日は天気が良かったこともあり、夕暮れ時の素晴らしい景色を見ることができました。
奈良の夜は本当に静かで、観光客や地元の人で賑わいを見せる「東向商店街」ですら、人の出はまばら。
猿沢池周辺も、すでにほとんど人影は見られない様子でした。人数が少ないからこそ感じられる、素敵な空間です。


もう少し足を伸ばすと、先ほど客室の窓から見えていた五重塔が姿を現しました。
すでに閉館時間となっていたため中に入ることは出来ませんでしたが、夜だからこそ雰囲気のある厳かな空気を肌で感じることができます。
ホテル周辺のランチスポット


ランチで訪れたのは、奈良の大和牛を使った人気のお店「すき焼きと牛まぶし ももしき」。
近鉄奈良駅から徒歩すぐの場所にあり、東改札口よりB出口を出た後、東向商店街に入るとすぐに看板が見える近さ。
東向商店街は非常に多くの飲食店が集まっているスポットであり、奈良観光に来た人は必ずと言ってもいいほど1回は通る道になると思います。
その中でも、奈良の特産を楽しみたいという観点からこちらのお店を選びました。


奈良の特産である「大和牛」を使用したすき焼きや牛まぶしが人気のこちらのお店。
1番人気のメニュー「大和牛まぶし 赤身たたき(1,980円/税込)を注文しました。
大和牛は赤身の旨味が特徴であり、低温でじっくりと火入れした後に炭火焼きにして香ばしい香りが付けられています。
柔らかいお肉に旨味が凝縮されており、絶品でした。


最初はそのままの味を堪能した後、薬味で味変するのがおすすめの食べ方。
大和高原産の一味唐辛子や柚子ごしょうが用意されているので、お好みの食べ方を。
さらに最後はお茶をいただけるので、お茶づけで締めるのが最高の味わい方です。
ちなみに中央にある調味料は、すき焼きを食べるときに使用します。
この日は周りのお客様の多くがすき焼きを注文されており、
ありとあらゆるテーブルから「うますぎる…!」「これはご飯が止まらない!」「これこれ!」
と皆さん感情が口から溢れ出ていたので、次に訪れる際は必ずやすき焼きを食べようと誓っています(笑)
宿泊してみた感想
「奈良に欲しいのに、今までなかなか無かったホテルとついに出会えた!」
これが、私がまず感じた印象です。
というのも、今まで奈良には「歴史ある高級ホテルや旅館」「地域の良さがより近くで感じられるゲストハウス」はあったものの、「コスパも良くて、奈良の魅力も感じられて、おしゃれで、綺麗で…」というような、若い世代が旅行で求めがちな要素が詰め込まれたホテルがなかなかありませんでした。
その結果、奈良観光はしたいけれども、宿泊は近隣の京都や大阪へと流れてしまう傾向が続いているのが悩みでした。奈良の夜が静かであるというのは、きっとここにも紐づいているような気がします。
ただ、今回宿泊した「MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS」のような今まで欲しかったのになかったホテルが誕生したことで、宿泊を含む奈良観光にも、大きな影響を与えてくれるのではないかと思います。奈良観光の際は、ぜひこちらのホテルに泊まってみてくださいね。