最終更新日 2022-05-18
JR京都線と並行するように走る七条通。この七条通には古くからあるお店や静かな住宅街、神社やお寺などが集まっていて、素顔の京都がかいまみられる場所です。京都駅からすぐの便利なエリアなので魅力ある宿泊施設も多くあります。そのひとつが「TUNE STAY KYOTO」。今回の記事では、「TUNE STAY KYOTO」に宿泊し七条通を中心に歩いて楽しむ京都の過ごし方を紹介します。
記事の目次
梅小路公園


京都駅からJR山陰線(嵯峨野線)で一駅のところに2019年に開業した「梅小路京都西」駅があります。ほど近くには緑に溢れた梅小路公園があります。広大な芝生広場や、河原の遊び場、カフェやレストラン、さらには日本庭園まであります。休日になると家族づれでにぎわい、京都市民の憩いの場になっています。
近年、立て続けにオープンした、京都水族館や京都鉄道博物館にも隣接していて、効率よく見て回れる場所です。特に京都鉄道博物館は鉄道ファンに根強い人気があります。
京都鉄道博物館


京都鉄道博物館を少し紹介します。こちらは「鉄道」に関する歴史や文化を楽しく学ぶことができる博物館です。


見どころはなんといっても、機関車を格納する車庫で、その形状から扇形車庫といいます。


実はこの扇形車庫は大正3年に建てられたもので、国の重要文化財にも指定されています。漆黒の機関車がずらりと並ぶ様子は圧巻のひとことです。扇形車庫で保存・展示されている機関車20両のうち8両はまだ動くそうで、当時の技術がいかに高かったかがわかります。また実物の蒸気機関車がけん引する客車に乗車できる「SLスチーム号」では梅小路公園の景色を眺められますので、ぜひ楽しんでくださいね。


また、本館の建物に入ると実際の車両がずらりと並んでいます。懐かしの車両から現在の活躍中の車両までさまざまな車両を見ることができます。中に入って運転席に座って見ることができるものもありますのでぜひじっくりと見ることをおすすめします。


本館の3階には、実際に在来線や新幹線を走行する電車を眺められるスペースもあります。京都の風景を背景に電車が走る様子はいつまで見ていても飽きることはありません。
このようにじっくり鉄道を見ていると、鉄道のファンでなくてもファンになってしまうかもしれないし、鉄道が好きな人はさらに好きになるはずです。
島原を歩く


梅小路公園から七条通りを越えて線路沿いに北に少し進むと、島原というエリアがあります。ここは江戸時代には花街でした。幕末には新撰組をはじめとする志士がよく出入りしていたとも言われています。現在の当時の雰囲気をそのまま残しており、そぞろ歩くだけでタイムスリップした気分が味わえるかもしれません。


お茶屋だった「角屋」は現在は「角屋もてなしの文化美術館」という美術館になっていて、中を見ることができます。「輪違屋」は現在もお茶屋として営業しているそうです。
GOOD TIME COFFEE 島原


島原大門を出てしばらく歩いたところにあるのが「GOOD TIME COFFEE 島原」で、古い町家を改装したカフェです。静かな場所にあり、ゆっくりとコーヒーを味わいながら読書でもしたくなるような、落ち着いた雰囲気が魅力です。本棚には古い漫画や本があり、思わず手にとってみたくなります。


コーヒーは浅煎りから深煎りまで6種類の豆から選ぶことができます。この日はエクアドルをいただきましたが、飲みやすく体にしみこむような味でした。


また、ホットサンドもあり、この日はイチゴを使ったカスタードフルーツサンドをいただきました。ただ、ホットサンドはその時々によってメニューも変わるので、ホームページなどで確認してくださいね。
GOOD TIME COFFEE 島原
■住所:〒600-8364 京都府京都市下京区突抜2-357
■電話番号:075-202-7824
■アクセス:JR京都駅中央口から徒歩20分 市バス島原口から徒歩2分
TUNE STAY KYOTOにチェックイン


「GOOD TIME COFFEE 島原」から20分ほど歩くと、本日のホテル「TUNE STAY KYOTO」に到着します。七条通にはたくさんバスが走っているので、疲れていたらバスかタクシーに乗りましょう。
ホテル周辺はコンビニや居酒屋やレストランなどが近くにあり、にぎやかで便利なエリアです。ホテルの外観はとてもシンプルなので、行き過ぎないようにしてくださいね。
1500冊の本がお出迎え。夜はショートフィルムも


ロビーに入ると迎えてくれるのは、なんと2500冊もの本、本、本。本好きにはたまらない場所になっています。階段状になっていて、そこに腰をかけてコーヒーを飲みながら、ページをめくるという非日常を味わえます。


しかも、こちらの本はすべて京都にまつわる本なのだとか。手にとって眺めて見るだけでも旅がさらに楽しくなりそうです。購入も可能です。気に入った本があったら自分へのお土産にしてもいいかもしれませんね。


さらには、夜になるとこちらにスクリーンが降りて15分ほどのショートムービーが放映されます。時間とどんな映画なのかは、スタッフの方にきいてみてください。オススメを教えてくれると思います。気になる映画があったら、ぜひ鑑賞してみてくださいね。バーで飲み物をつくってもらって映画鑑賞のおともにするのもいいかもしれません。


わたしも1本鑑賞しましたが、おしゃれなフランス映画で誰もが知っている有名女優も出ているものでした。短い時間でサクッと見られて、その後、バーに居合わせた方と感想を語り合いました。
ツインルームは2段ベッド


では、お部屋を紹介します。今回、宿泊したのはツインルームです。といっても、ベッドが二つ並んでいるのではなくて、2段ベッドになっていました。 こじんまりとした部屋ですが、余計なものがなく使いやすかったです。


デスクもあり少し作業することもできます。また作業は1階のカフェや地下1階のワークスペースでもできるのでワーケーションはお気に入りの場所を見つけて集中できる場所を選んでくださいね。室内着はエレベータホールに浴衣があるのでそれを持って行きます。もし浴衣が苦手な方はルームウェアを持参したほうがいいかもしれません。
2022年3月オープン!HIDE OUTエリアをご紹介


そして、特筆すべきはロビーの奥の扉の向こうにある別館「HIDE OUT」エリアです。ここは2022年3月にオープンした都会の隠れ家をコンセプトにつくられたラグジュアリーエリアです。今回、特別に見せていただきましたのでご紹介します。


「HIDE OUT」エリアのお部屋は全部で16室あり、それぞれ違ったつくりになっています。


京都は高いビルが少ないので、高層階の部屋からの景色がよく、なかでも窓から京都タワーが見えるお部屋はオススメなんだとか。


景色がいいだけではなく大きく開け放たれた窓からは太陽の光がさんさんと降り注ぎ、居心地も最高です。季節の花がさりげなく飾られているところもいいですね。






すべての部屋に食器や調味料が備わったキッチンとリビングルーム、そしてバスルーム、寝室があり、申し分のない広さです。それもそのはず、東京から来た宿泊者が、京都在住の友達を呼んで、リビングルームでホームパーティをひらく……というようなこともできるように設定されているのです。リピートしてしまいそうですね。


また、全室にレコードプレーヤーが設置されており、お気に入りの音楽をアナログな音で楽しめるという遊び心も。レコードは8階のラウンジにあり、聞いてみたいものを持ち込めるシステムです。ぜひこの機会にお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。


8階のラウンジには、本、レコード、ゲームなどがあります。ここから好きなものを選んで、お部屋に持っていくことができます。


9階のラウンジには、飲み物とおつまみ類、そしてカップめんなどがあり、こちらも自由にとって、お部屋で楽しんでいいそうです。特にグラスワインがオススメなのだそうです。


こちらのお部屋は寝室が畳敷きになっていて一段高くなっています。京都ということもあって、Japanese styleの部屋は人気があるとスタッフの方が教えてくださいました。
店内で包んでいる「小籠包包伸一」


夕食はスタッフの方に教えていただいた小籠包のお店「包伸一」に行くことにしました。TUNE STAY KYOTOから徒歩5分もかからない距離で、七条通から北に少し入ったところにあります。平日でしたが、お店はほぼ満席状態でたくさんの人でにぎわっていました。カウンター席もあるのでお一人様でも大丈夫です。元気な店員さんの「いらっしゃいませ」の声に迎えられて入店しました。


こちらの小籠包はお店でなんと生地からお店で手作りで、注文が入ってから蒸し始めるというこだわりよう。小籠包が蒸しあがるまでに、「ビールでも……」と、選んだビールは台湾ビールです。


それから、こちらは酔っ払い海老。紹興酒でつけた海老です。身がぷりぷりしていておいしかったです。


そうこうしていたら、小籠包が来ました。小籠包には、プレーン、トリュフ、ホタテ、海老みその4種類があり、お一人様だと、全種類ひとつずつせいろに入ったものを注文できます。
口に入れると中からジュワッとスープが出てくる感じが最高ですね。ホタテと海老みそは海の香りがしっかりと閉じ込められていて、深い味わいでした。トリュフも独特の香りが楽しめました。まさにせいろの中で山の幸と海の幸が出会ったようなテンションの上がるお料理でした。
バーではクラフトジンの飲み比べ


ホテルに帰ったら、次はホテルのバーでクラフトジンの飲み比べをしてみました。


フロントの隣にあるバーカウンターにはクラフトジンのボトルがずらり。欧米各国や日本国内のさまざまな場所でつくられたジンの数々です。そのなかから3種類が選べる飲み比べセット(1000円)がおすすめです。こちらのセットはまず、3種類のクラフトジンを選び、そしてトニックウォーターを選びます。さらには付け合わせともいえるガーニッシュを選びます。オーソドックスなライムやレモンから、山椒といった変わり種までいろいろあるので選ぶのが楽しくなります。


ジンはまずストレートで飲み、次にロック、最後にトニックウォーターで割って飲むと違いがよくわかるのだそう。トニックウォーターはだいたい30cc加えるのがいいそうで、ビーカーも一緒に用意されています。最後にガーニッシュを加えるとさらに違った味が楽しめるようです。このようにいくつもの楽しみ方を知ることができるのがこちらのセットの良さです。


わたしが選んだのは、まず右から「ORI-GIN1848」(沖縄)です。こちらはとてもアルコール度数が高く、強めのお酒でした。すると、スタッフの方が「きゅうりを入れるとまろやかになりますよ」と教えてくれました。そして、半信半疑でやってみると本当にまろやかに飲みやすくなりました。次に中央にある「Empress1908」(カナダ)です。こちらは美しい青い色が特徴です。トニックウォーターを入れるとさらに色が変わるので、色の変化を楽しむことができます。左にあるのは「季の美スロージンタイプハスカップリキュール」(京都)です。こちらも少しピンクの色味がかかっていて、まるで梅酒のような味わいです。そんな風にコミュニケーションを楽しみながらジンを飲めるのもこのバーのいいところ。あとからさらにお客さんもきて、楽しく京都の夜は更けていきました。
朝食を食べて東本願寺へ


TUNE STAY KYOTOの朝ごはんはベーグルサンドと飲み物のセットがいただけます。(+500円)


ベーグル、飲み物はそれぞれ3種類の中から選べます。わたしはスモークサーモンとクリームチーズのベーグルを選びました。飲み物はコーヒーです。
ベーグルはカリッと焼いてあって、濃厚なクリームチーズとスモークサーモンがよくあっていました。ライトで美味しい朝ごはんで体から目覚めていく感じがしました。


朝ごはんを食べたら、散歩がてらに早朝でも参拝できる東本願寺へ行ってみてはいかがでしょうか。TUNE STAY KYOTOからは徒歩10分ほどです。
圧倒されるほど大きな門から境内に入るとひろびろとした空間に清々しい空気が流れています。ふと見上げると京都タワーも。とても駅前にあるとは信じられませんね。


東本願寺は正式には真宗本廟といい、浄土真宗・真宗大谷派の本山です。宗祖である親鸞聖人の御真影(ごしんねい)を安置する御影堂(ごえいどう)と御本尊・阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂があり、国の重要文化財に指定されています。毎朝、7時からは晨朝法要・法話も行われているので参拝してみてはいかがでしょうか。


また少し東に行くと東本願寺の飛池境内地の庭園、別邸「渉成園」があります。こちらは9時からの開門になりますが、徳川14代将軍家茂や15代将軍慶喜、また明治天皇も訪れたという由緒ある庭園です。


見どころはなんといっても印月池。この池に風光明媚な橋がかかり、そこを渡って歩いているだけでも、なんだか気分が落ち着いてきます。


京都タワーとのコラボも絵になります。
TUNE STAY KYOTOに泊まってみた感想
2500冊もの本があったり、ショートフィルムが楽しめたり。ひとり旅でも十分に楽しめるように工夫されたホテルだと感じました。バーではスタッフの方にクラフトジンのことをいろいろと教えてもらいました。話していると、「わたしも飲んでみようかな」という人も現れて、そこから旅の話になっていったのもとても楽しい思い出になりました。
また、立地がとてもよく、コンビニに行ったり、晩ごはんを食べに行ったりするのに便利でした。もちろん京都駅にも近いので移動の起点にもなりますし、この記事で紹介したように、周りにも観るべきものがたくさんあります。機会があれば友達や家族とHIDE OUTエリアに泊まってみたいなと思いました。

