最終更新日 2021-12-01
九州最大の都市である福岡市に、観光やショッピングなどで行く人も多いでしょう。大都会である福岡市の中心には「水と緑のオアシス」と呼ばれている大濠公園があります。公園内は美しい池を中心に自然にあふれているうえ、施設も多いために様々な楽しみ方ができます。市内観光に合わせて大濠公園を散策してみると、疲れた体や心が癒されるでしょう。今回は大濠公園の魅力や見どころをご紹介します。
記事の目次
大濠公園とはどんなところ?


九州最大の都市である福岡市には数多くの観光スポットがあります。中でも「水と緑のオアシス」として知られているのが、中央区にある大濠公園です。公園内には池を中心に数多くの施設があり、市民の憩いの場となっています。同時に、福岡観光でもおすすめスポットの1つです。まずは大濠公園がどのような公園なのかをご紹介します。
大濠公園の基本情報


大濠公園は福岡市中央区にある公園です。総面積は約39.8万㎡にも及ぶほどの広大さを誇ります。中心には3つの島がある大きな池が、周りには日本庭園や美術館、能楽堂など様々な施設が設けられているのが特徴です。加えて野鳥の森や遊歩道もあり、大都会福岡の中心で自然の癒しを感じられる憩いの場となっています。
大濠公園が設置されたのは、昭和初期の1929年のことです。しかしそのルーツは、江戸時代に黒田長政が博多湾の入江を福岡城の外堀「大濠」として活用したことです。
大濠公園は市の中心部にあるため、市内随一の繁華街・天神からも地下鉄を使って短時間で来やすいです。加えて博多駅や福岡空港とも地下鉄で繋がっています。遠方からの観光客にとっても、市内観光の一環でアクセスする際に便利です。
大濠公園
■住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1
■営業時間:入園自由
■アクセス:
・西鉄バス「黒門」バス停下車 徒歩5分
・福岡都市高速西公園出口より車で約5分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
ルーツも含めると長い!大濠公園がたどった歴史を解説


せっかく大濠公園を訪れるのであれば、公園がたどった歴史を知っておくのも悪くないでしょう。福岡でも指折りの公園である大濠公園は、昭和初期の1929年に開園しました。ルーツまで含めると江戸時代にまでさかのぼります。
江戸時代のお堀を活用して公園を整備


大濠公園の歴史はルーツも含めると大変長くなっています。福岡藩主黒田長政が江戸時代の初めに福岡城を築城した際、博多湾の入り江だった草ヶ江を城の堀に活用したのが始まりです。入り江の北側を埋め立てて、城の外堀としました。なお福岡城の跡も公園の東側に残っています。
明治時代になって福岡藩がなくなると、福岡城も廃城となりました。堀の埋め立てによって水が閉じ込められる形となったため、大濠の環境は悪化していきます。環境悪化への対策として、一時は大濠を埋め立てる計画もあったほどです。
大正時代に入り大濠の環境悪化を憂いた福岡市は、東京帝国大学教授・本田静六氏の提案で都市公園として整備することにしました。そして1927年の東亜勧業博覧会が開催されたことをきっかけに造成工事が行われ、1929年に開園しました。なお3つの島が浮かぶ湖を中心に整備したのは、中国の杭州にある西湖をモデルにしたためです。
戦後に数々の施設の整備や池の美化が行われる


大濠公園が現在のように数多くの施設を備えた公園になったのは戦後のことです。1966年に公園の東側を会場に福岡大博覧会が開催されます。閉会後に会場跡地を活用する形で福岡市美術館や児童公園(くじら公園)が開設されました。加えて1984年には南側に日本庭園が、1986年には能楽堂が設けられてほぼ現在の形になっていきました。
真ん中にある池も1980年代に環境が悪化したことをきっかけに、市民の請願で美化工事が行われました。池の水を抜いたうえで汚泥などを取り去り、水の浄化施設も設置しました。浄化施設は現在も稼働しており、毎月24日から25日に水を入れ替えることで池の環境を美しく保っています。
加えて管理事務所やボランティアによる清掃やパトロール、花壇・植え込みの手入れも日常的に行われています。いつ来ても安らぎを感じられる大濠公園は、多くの人の協力があってこそといえるでしょう。
大濠公園を存分に楽しむための魅力を解説!


福岡観光の一環で大濠公園も行ってみたいと思う人もいるでしょう。事前に大濠公園にどのような魅力があるのかを知っていれば、より公園での散策や休憩、アクティビティなどを楽しめます。大濠公園が持つ魅力をご紹介しましょう。
福岡が誇るオアシスで豊かな自然を感じられる


大濠公園は福岡市の中心で豊かな自然を味わえる点が魅力です。中心にある池は、長年の努力もあってきれいな水質を誇っています。あまりにも水がきれいであるため、池に浮かぶボートなどが水面に反射するほどです。特に公園西側にある赤色の「浮見堂」が水面に映るさまは写真映えします。
水面がきれいである分、様々な鳥や魚などの生き物が見られる点もポイントです。鳥であればカワサギやカワウ、カモメなどが生息しており、間近でも見られます。魚もコイやフナなど、豊富な種類の魚が棲んでいます。かつて海と繋がっていたこともあり、海水魚のボラも姿を現します。亀が甲羅干ししている光景も見ることができ、何とも癒されるでしょう。
池の周辺にはランニングコース沿いに130種約1万本もの樹木が植えられています。青々とした葉が付いており、公園全体で緑を感じやすいです。加えて園内各所にはチューリップやユリ、パンジーなどを植えた花壇も設けられています。花壇の花々は季節によって種類が異なる分、年を通じて様々な花を楽しめます。
公園内に施設が多い分楽しみ方も様々!


大濠公園は池の周りに数多くの施設がある分、様々な楽しみ方ができる点も大きな魅力です。主な施設としてランニングコース・ボートハウス・日本庭園・能楽堂・児童公園などがあります。年代を問わず楽しめる施設が揃っているため、公園内のにぎわいは絶えません。
アクティビティでもランニング・サイクリング・芸術鑑賞・ボート・遊具を使った遊びなど様々です。加えて自然の豊かさを楽みながら散策したり、ベンチに腰掛けて池を眺めながらくつろぐこともできます。
ほかにも、グルメを堪能できる場がある点もおすすめです。ボートハウスには「ロイヤルガーデンカフェ」やレストラン「花の木」が、公園東側に「スターバックスコーヒー」が出店しています。近くの福岡市美術館にもカフェやレストランが出店しているため、公園に来たついでに食事やお茶の時間を作ることができます。
アクセス良好で周辺の観光スポットにも行きやすい


大濠公園は福岡市の都心部にあるため、アクセスが非常に良い点も魅力です。最寄り駅が地下鉄空港線の大濠公園駅であるため、博多駅や福岡空港、天神からも簡単かつ短時間で来られます。
また、公園の周辺にも観光スポットが多いため、休憩や散策に合わせて足を延ばせます。公園のすぐ近くであれば福岡城跡や福岡市美術館が、少し北西に行ったところには福岡ドームや福岡タワーが代表的なスポットです。屋台で有名な中州や、インスタ映えスポットの多い糸島も乗り換えなしで行くことができます。
福岡市内を観光する際は、途中に大濠公園で休憩やアクティビティを楽しむ時間を設けるのもおすすめです。
大濠公園を楽しむうえで欠かせない見どころスポット8選


自然や施設に恵まれた大濠公園には数多くの見どころがあります。公園での散策やアクティビティを楽しむうえで欠かせない見どころを9つご紹介しましょう。
足に優しい2㎞のコースでランニングやサイクリングを楽しめる


最初にご紹介するのが、公園の池沿いを走るランニングコースです。約2㎞に及ぶコースには2本の道があり、うち外側のものは舗装にゴムチプが使われています。ゴムチプ舗装は足に優しいのが特徴で、思う存分走ったり駆け回ったりできるでしょう。毎日のように多くのランナーがジョギングで汗をかいています。自転車も走れるため、サイクリングを楽しむうえでもおすすめです。
なお、内側は散策専用の道路になっています。池の岸辺に近い分、水辺越しに見える市街地や公園内の自然も堪能しやすいです。途中で足を止めて、道沿いの木々や水辺にすむ生き物たちに目を向けてみても良いでしょう。
4つの橋と浮見堂が特徴の中の島はライトアップも楽しめる


池の西側には「中の島」と呼ばれる島もあります。4つの橋で繋がった3つの島からなるエリアです。もちろん歩いて渡ることができます。中の島を通る遊歩道は木々の間を通っているため、木陰の中を歩いて行けるのが特徴です。池沿いにはベンチもあり、途中で休憩しながら池やその向こうに広がる市街地の風景を眺められます。
中の島で最大の見どころが、最も北側にある「浮見堂」です。もともと福岡市動物園でオットセイに餌をやるための場所でした。戦争の影響で動物園が閉園になった際、大濠公園に移築されました。銅板葺きの屋根と赤色の欄干が特徴的で、公園のシンボルであるとともに最大の写真映えスポットになっています。池に突き出ているため、まるで船で遊覧を楽しんでいるような気分になれるでしょう。
なお、中の島は夜のライトアップもおすすめです。毎日日没後から22時にかけて74基のLEDライトを使って照らし出します。池の水面にもライトが映し出されて幻想的な空間を生み出すため、デートにも最適です。ちなみに、季節によってライトの色の種類が変化するのも魅力になっています。
レンタルボートを漕いでのどかな水景を


せっかく大きな池があるであれば、水面の上でゆったりしたひと時を楽しみたいでしょう。大濠公園では貸しボートも利用することができ、公園内で最も人気のあるアクティビティの1つです。
ボートは池の北側にある「ボートハウス大濠パーク」でレンタルできます。ボートは手漕ぎボート・白鳥ボート・あめんぼボートの3種類です。特に白鳥ボートは足漕ぎ式であるため、手漕ぎのボートに慣れていない人でも楽しめます。
池の水面はとても穏やかであるため、ボートを漕ぎながらのどかなひと時を過ごせるのが魅力的です。加えて池には多くの水鳥や魚などが生息しているため、ボートから生き物たちの姿を見ることもできるでしょう。
池の風景を楽しみながら食事ができるロイヤルガーデンカフェ
ボートハウスは複合施設にもなっており、レストランやカフェも出店しています。中でも「ロイヤルガーデンカフェ」は名物のパンケーキなど、様々な人気メニューがあります。ランチであれば、スープやドリンクのついたセットがおすすめで、ハンバーグなどがメインディッシュとなっています。
加えて、テラス席で池の景色を見ながら食事やお茶を楽しめる点もポイントです。特に天気の良い日はテラス席が満席になるほどにぎわいます。夜間であれば、ライトアップされる中の島や静かな水面を眺めながらのディナーもいただくことができます。なお、室内席もウッドのテーブルやイス、白い壁が特徴の開放的な内装となっています。
■住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-3 ボートハウス大濠パーク 1F
■営業時間:11:00~21:00(土日祝日は9:00開店、L.O.20:30)
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線大濠公園駅駅3番出口から徒歩約3分/福岡都市高速西公園出口より車で約8分
■新型コロナウイルス対策情報:https://royal-gardencafe.com/news/?page=3
子供連れの家族におすすめの児童遊園


大濠公園にはお子さんが思い切り走り回れるスポットもあります。池の北東側にある「くじら公園」と、西側にある「どんぐり公園」の2ヶ所です。両方ともお子さんが楽しめるような遊具が豊富にそろっています。
くじら公園は主に小学生向けのダイナミックな遊具が多いのが特徴です。敷地が広くて見通しが良い分、思い切り駆け回ることができ、お子さんも安全に遊ぶことができます。
一方、どんぐり公園はくじら公園よりもコンパクトな造りで、木陰の多さが特徴になっています。未就学児向けの遊具が多いため、小さいお子さんが思い切り楽しめる環境です。また、木陰を活かして家族でのんびりくつろぐこともできます。
和と癒しに溢れる大濠公園日本庭園


公園の南側には日本庭園があります。大濠公園の開園50年を記念し、1984年に開かれたスポットです。敷地面積は約1.2ヘクタールで、大きな池と築山による池泉庭園・枯山水庭園・曲水の流れを園路で回れるようになっています。築地塀や築山には防音効果もあるため、都会の中心にありながら静かに和や癒しを感じられるでしょう。
また、園内に植えられている木々は四季折々のものであるため、桜・紫陽花・紅葉など季節の花々も楽しめます。池も非常に広いため、池越しに木々を眺めると雄大な風景を眺められるでしょう。
池の北側には茶室も設けられており、毎月第一・第三火曜日には一般の方も抹茶とお菓子を堪能できます。なお、茶室は樹林や竹垣、石灯籠などが配置されているため、落ち着いた環境でお茶をいただけるでしょう。
■住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-7
■営業時間:9:00~17:00(6~8月は18:00閉園、最終入園は閉園15分前まで)
■休園日:月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12/29~1/3)
■入園料:一般250円、児童(15歳未満)120円
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線大濠公園駅駅3番出口から徒歩約11分/福岡都市高速西公園出口より車で約8分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
西日本最大級の能楽堂で伝統芸能に親しめる


こちらは1986年に完成した能楽堂です。座席数は590席にも及び、西日本では最大級の規模となっています。舞台に向かって三方向から鑑賞できる仕組みになっており、臨場感に浸りながら興行を楽しめるでしょう。加えて、ロビーからは大濠公園の美しい景色が見える点も特徴です。
能楽堂なので主に能と狂言の公演が多い一方、コンサートやジャズなどその他の芸術公演も行われています。ほかにも、結婚式などのイベントに利用できる点もポイントです。
■住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-5
■受付時間:9:00~17:00
■休館日:月曜
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線大濠公園駅駅3番出口から徒歩約3分/福岡都市高速西公園出口より車・徒歩で約8分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
大濠公園でもスタバのコーヒーが味わえる


世界中で人気があるコーヒーチェーン・スタバことスターバックスコーヒーは、大濠公園内にも出店しています。スタバの中でもで地域文化の発信拠点「リージョナルランドマークストア」に指定されている店舗の1つです。大濠公園の景観を壊さないように、ぬくもりを感じられる木材が建物に使われています。加えて、大きな窓から公園の景色が見える点も魅力です。
店内の内装はシンプルで、公園に面したテラス席や、居心地の良いソファ席で自然を見ながら美味しいコーヒーをいただけます。散策やジョギングついでに立ち寄る公園利用者も多いです。
なお、抽出後のコーヒー豆をたい肥に利用したり、マグカップでの提供をしている点で環境志向を心がけているのも特徴です。環境に配慮している点から、大濠公園に出店しているお店らしさを感じさせてくれます。
■住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-8
■営業時間:8:00~22:00
■定休日:不定休
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線大濠公園駅駅3番出口から徒歩約6分/福岡都市高速西公園出口より車・徒歩で約11分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.starbucks.co.jp/notice/20213394.php
大濠公園へのアクセス方法


博多や天神などから行きやすい大濠公園ですが、どうアクセスすれば良いのでしょうか。大濠公園へのアクセス方法を解説していきます。
電車でアクセスする場合


電車でアクセスする場合は、福岡市営地下鉄空港線を利用します。最寄り駅は大濠公園駅と唐人町駅で、両方の駅からの所要時間は徒歩7分程度です。なお博多駅や福岡空港からも地下鉄を使って乗り換えなしで来られます。
大濠公園駅からアクセスする場合は、3番出口から出て明治通りをまっすぐ進み、最初の「大濠公園」交差点で左折です。左折後は直進すると公園に到着します。
一方、唐人町駅からアクセスする場合は、6番出口から出て明治通りを天神方面に進みます。交番がある角で右折しまっすぐ進めば公園に到着です。公園の西側に向かう際は唐人町駅経由がおすすめでしょう。
バスでアクセスする場合


バスでアクセスする場合は、西鉄バスを利用します。博多駅からの場合、博多駅バスターミナルから乗車し、最寄りの「大濠公園前」停留所または「黒門」停留所で下車です。所要時間は約31分、運賃は240円となります。
「大濠公園」停留所から向かう場合、明治通りを唐人町方面にまっすぐ進み、最初の「西公園入口」停留所で左折です。左折後はまっすぐ進むと公園に到着します。停留所からの所要時間は約5分です。
一方、「黒門」停留所で下車した場合は、明治通りを唐人町方面に進み、交番がある角で左折します。まっすぐ進むと、バス停から約5分で公園に到着です。公園の西側にバスでアクセスする場合は「黒門」停留所経由が良いでしょう。
車でアクセスする場合


車で大濠公園に向かう場合は、福岡都市高速1号線の「西公園ランプ」が最寄の出口です。出口からは前方に伸びる「よかトピア通り」を直進し、「福浜団地入口」交差点で左折します。
次に黒門川通りを進んで「黒門橋」交差点で左折すると、すぐ右手に大濠公園が見えてきます。高速の出口から公園までの所要時間は約5分です。
駐車場は公園の北側に設置されています。収容台数は103台分で営業時間は7時~23時です。駐車料金は最初の2時間で220円、以降は30分ごとに170円が加算されます。
大濠公園周辺のおすすめ観光スポット7選


大濠公園は福岡市の中心にあって天神にも近いため、周辺にも魅力的な観光スポットが多くあります。大濠公園の散策やアクティビティを楽しんだ後で、周辺スポットにも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。大濠公園周辺で指折りの観光スポットを7ヶ所ご紹介します。
福岡城跡(舞鶴公園):大濠公園に隣接する桜の名所でもある城跡


大濠公園の東隣にある城跡です。初代福岡藩主である黒田長政が1601年から7年がかりで築城しました。「福岡」の地名も黒田氏の出身地にちなんで名付けられました。海から見える城の姿が鶴が羽ばたこうとする様子をイメージさせることから「舞鶴城」の異名もあります。なお築城当時は天守閣の代わりに、大中小3種類の天守台と47もの櫓を備えた壮大な城でした。
城の各所には築城当時の天守台や石垣の跡が多く残っているのが特徴です。中でも大天守台は展望台として公開されており、大濠公園の全景や博多湾などを一望できます。建物も多門櫓・潮見櫓・下之橋御門などが残されており、城が建てられた江戸時代の名残を感じられるでしょう。
城の本丸から三の丸の部分は舞鶴公園となっており、市民の憩いの場として親しまれています。福岡市内有数の桜の名所としても有名で、春になると園内にある1,000本もの桜の木々が美しい花を咲かせてくれます。城の堀や塀と満開の桜が作り出す風景は風情を感じさせてくれるでしょう。桜以外にも梅・ツツジ・菖蒲・ハスなど四季折々の花々が植えられているため、1年を通じて季節の花々を楽しめます。
■住所:福岡県福岡市中央区城内
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線赤坂駅2番出口から徒歩約10分/福岡都市高速西公園出口より車で約13分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
鴻臚館(こうろかん)跡:古代に外交や国際交流を行った施設跡


舞鶴公園のすぐ東隣にある史跡です。平安時代に外国からの使節を迎え接待や外交を行った場でした。京都と難波(大阪)も含めて3ヶ所あった鴻臚館の中でも、唯一遺構が確認されている史跡になっています。また福岡の鴻臚館のルーツは7世紀にまでさかのぼるため、400年にわたって使われたという点でも貴重です。
鴻臚館跡展示館の内部には、1987年に発見された鴻臚館の遺構が残されています。建物の一部が復元されているため、古代に使われていた頃の姿をイメージできるでしょう。加えて中国や西アジアで作られた陶器・磁器やガラス道具なども見つかっており、当時の国際色豊かなさまも感じられます。
■住所:福岡県福岡市中央区城内1
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線赤坂駅2番出口から徒歩約9分/福岡都市高速西公園出口より車で約14分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
福岡市美術館:重要文化財の写真も撮れる美術館


大濠公園の敷地内南東側にある、福岡市が運営する美術館です。1973年に開館し、地元の市民や観光客に親しまれてきました。老朽化を理由に2016年から2年半に及ぶリニューアル工事が行われ、2019年3月に再開されています。
常設展示では、九州出身の画家のものを中心に国内外の芸術作品が多く展示されています。近現代の絵画や彫刻が中心で、草間彌生・ミロ・ダリ・シャガールなどの作品が見られる点も魅力です。また、福岡藩主黒田家の菩提寺・東光院の仏像を展示している「東光院仏像美術室」もあります。荘厳さをたたえた多くの仏像を全方向から鑑賞できます。加えて館内の展示作品には重要文化財になっているものも多い上、写真撮影が許可されている点もポイントです。
美術館にはリニューアルに合わせて設置されたレストランやカフェもあり、人気のスポットになっています。レストラン「プルヌス」はホテルニューオータニ博多の直営店となっているため、ホテルのシェフが手掛ける料理を味わえます。一方、カフェ「アクアム」では、ケーキやパフェなどのスイーツやドリンク類、軽食類などメニューが豊富です。美術館の利用客以外にも開放されているため、大濠公園の散策に合わせてテイクアウトしていく人も多くいます。
■住所:福岡市中央区大濠公園1-6
■開館時間:9:30~17:30(7~10月の金・土曜は20:00まで開館)
■休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12/28~1/4)
■入館料(コレクション展・企画展):大人200円、大学生・高校生150円、中学生以下無料
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線大濠公園駅3・6番出口から徒歩約10分/福岡都市高速西公園出口より車で約5分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.fukuoka-art-museum.jp/uploads/1031shisetsu.pdf
福岡PayPayドーム:福岡ソフトバンクホークスのホームグラウンド


大濠公園から歩いて約20分のところにある多目的のドーム球場です。プロ野球の福岡ソフトバンクホークスのホームグラウンドとして知られています。2020年2月に「福岡ヤフオク!ドーム」から現在の名前になりました。プロ野球の公式戦や有名人のコンサートの会場に使われています。
屋根には開閉式のドームが設置されているため、天候に関係なく野球の試合やコンサートを楽しめます。スタジアム以外にも、ホークスの公式グッズストア「HAWKS STORE」や、王貞治氏の足跡を展示している「王貞治ベースボールミュージアム」など見どころが多いです。外には著名人の手のオブジェである「暖手(だんて)」もあり、ポール・マッカートニー氏やマイケル・ジャクソン氏のものもあります。
定期的にドームツアーが行われており、普段立ち入れないドームの裏側が見学可能です。選手たちが使うベンチやブルペンが見られるうえ、記者会見場もコースに入っている点がポイントです。ほかにも公式戦開催時に利用できる居酒屋とパブもあるため、アルコールを片手に試合観戦をすることができます。
■住所:福岡県福岡市中央区地行浜2-2-2
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線唐人町駅3番出口から徒歩約15分/福岡都市高速百道出口より車で約5分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.softbankhawks.co.jp/ex/gameguide/
シーサイドももち海浜公園:海に突き出た商業施設を有する海浜公園


福岡PayPayドームの裏手にある博多湾に面した海浜公園です。人工のビーチで、夏場には海水浴やビーチボート、マリンスポーツを楽しむ人でにぎわいます。また透明度の高い博多湾に面しているため、美しいオーシャンビューも楽しめます。加えて、周辺には福岡PayPayドームや福岡タワーなどもあるため、美しい夜景も見られます。
公園の中央部に「マリゾン」と呼ばれる商業施設があるのも大きな特徴です。海に突き出た場所にある上、中にはおしゃれなショップやレストラン・カフェなどが出店しています。レストランやカフェでは美しい海や空を眺めながらイタリアンや海鮮料理、和食などを堪能できます。また結婚式場もあるため、オーシャンビューに見守られながら結婚式を挙げると、一生忘れられない感動的な思い出になるでしょう。
■住所:福岡市早良区百道浜2-902-1
■営業時間:自由
■アクセス:福岡市営地下鉄空港線西新駅1番出口から徒歩約15分/福岡都市高速百道出口より車で約3分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
福岡タワー:デートにおすすめの独特な外観のタワー


シーサイドももち海浜公園の近くにある高さ234mのタワーです。海浜にあるタワーとしては日本一の高さを誇ります。また8,000枚ものハーフミラーを使って表現した正三角形の独特な外観も魅力です。福岡のシンボルにもなっており、思い出に良い写真が撮れるでしょう。
最上階である5階(123m)と3階(116m)には展望室が設けられています。最上階の展望室からは福岡市街や博多湾を360度のパノラマで楽しめます。夜間は天神や博多にあるビル群が作り出す夜景が美しく、デートにもうってつけです。なお、3階展望室は恋人の聖地に認定されており、誓いのフェンスにハートの形をした南京錠を取り付けて愛を誓うこともできます。
ほかにも七夕やクリスマスなどの時期にはイルミネーションが点灯されるのも魅力です。季節のイベントに合わせて様々なテーマでライトアップされるため、いつ来ても飽きることがありません。
■住所:福岡県福岡市早良区百道浜2丁目3−26
■営業時間:9:30~22:00(最終入場時間21:30)
■休館日:不定休(2022年は6/27・28)
■入場料:大人800円、小中学生500円、幼児(4歳以上)200円
■アクセス:西鉄バス「福岡タワー」停留所下車すぐ/福岡都市高速百道出口より車で約5分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.fukuokatower.co.jp/news/archives/108
櫛田神社:山笠でも有名な博多が誇るパワースポット


福岡を代表するターミナル・博多駅からすぐの場所にある神社です。天照大神など3柱の神々を祀っている神社で、奈良時代に創建されて以来、「博多の総鎮守」として親しまれてきました。福岡の夏の風物詩である「博多祇園山笠」や「博多おくんち」も櫛田神社の祭事であるほか、5月の「博多どんたく」の会場としても有名です。
境内には不老長寿で知られる「霊泉鶴の井戸」や、楼門の天井にあって恵方を確認できる「干支恵方盤」といったユニークなパワースポットがあります。また、2月の節分祭限定で登場するお多福のお面は日本一の大きさで、くぐると幸せを引き寄せるものとして人気です。
ほかにも、力士が力自慢に重い石を奉納した逸話にちなんだ重さ80㎏の力石や、博多祇園山笠で奉納される山笠が見られます。特に力石は、近くに同じく80㎏の試石があるため、腕に自信があるのであれば挑戦してみると良いでしょう。
■住所:福岡県福岡市博多区上川端町1-41
■参拝時間:4:00~22:00
■入場料(博多歴史館):大人300円、小中学生500円、幼児(4歳以上)200円
■アクセス:福岡市営地下鉄祇園駅3番出口・中州川端駅5番出口から徒歩約8分/福岡都市高速百道出口より車で約3分
■新型コロナウイルス対策情報:各自でアルコール消毒や三密対策、ソーシャルディスタンスなどを徹底してください
おわりに


今回は福岡市中心部の大濠公園の魅力や見どころをご紹介しました。都心部に位置しながら美しい自然が見られるため、休憩や散策に非常におすすめです。また様々な施設が設置されている分、アクティビティも豊富に楽しめるため、日頃のストレス発散に来るのも良いでしょう。
福岡市内は観光スポットが豊富にあるため、周辺スポット巡りと合わせて大濠公園に立ち寄ってみると、充実したひと時を過ごせます。観光がてら公園散策に出かけるのはいかがでしょうか。