最終更新日 2021-10-28
東京といえば大都会のイメージが強いですよね。
しかし西側には山が連なり、鍾乳洞まであります。
そして東京で有名な鍾乳洞が日原(にっぱら)鍾乳洞です。
東京にある鍾乳洞と聞くと内部などが気になりませんか?
今回は奥多摩にある日原鍾乳洞について、周辺スポットとともにご紹介します。
日原鍾乳洞とは?


東京の観光スポットと聞くと、東京スカイツリーなどの展望施設や、六本木ヒルズのような大型複合施設などをイメージしがちですよね。
もし「東京に鍾乳洞がある」と聞いたら興味が湧きませんか?
実は東京には日原(にっぱら)鍾乳洞と呼ばれる鍾乳洞があり、規模も関東最大級を誇ります。
ただ「日原鍾乳洞」の名前さえ聞いたことがない人もいるでしょう。
まずは日原鍾乳洞の基本的な情報からご紹介します。
日原鍾乳洞について


日原鍾乳洞があるのは、東京都でも西部の西多摩郡奥多摩町です。
JR青梅線の奥多摩駅がある町中心部から北西に行ったところにある日原地域にあります。
鍾乳洞自体は日原川の支流である小川谷の中で石灰岩が削られてできたものです。
全体の総延長は約1,270mで、関東最大を誇ります。
古くから山岳信仰の霊場として知られ、平安時代に弘法大師空海が修行に使っていたという逸話があるほどです。
ちなみに内部各スポットの名称は地獄を思わせるものが多くあります。
山岳信仰の時代から鍾乳石などを仏様に見立てていたことが由来です。
内部には縁結び観音(白衣観音)や水琴窟などの見どころもあり、幻想的で荘厳な雰囲気を堪能できるでしょう。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原
■営業時間:4/1~11/30:9:00~17:00 / 12/1~3/31:9:00~16:30
■料金:大人(高校生以上):800円、中学生:600円、小学生:500円
(公式サイト上で割引券あり。1枚で5名まで100円引き)
■アクセス:JR青梅線奥多摩駅より西東京バス利用、「日原鍾乳洞」バス停下車後、徒歩5分
(土日祝日や大型連休時は「東日原」バス停下車後、徒歩25分)
■新型コロナウイルス対策情報:http://www.nippara.com/
日原鍾乳洞の魅力・見どころをご紹介!


日原鍾乳洞を巡る際、魅力や見どころを知っておくと楽しみが増しますよね。
約1.3㎞のルートには大きく分けて6つの魅力や見どころがあります。
見どころ①:洞窟内は常に11度


日原鍾乳洞に出かける人の中には、夏場や冬場の大型連休を利用する人もいるでしょう。
実は鍾乳洞の内部は、年を通じて11度に保たれています。
入口から入った途端に爽やかな風を感じられるため、真夏の暑い日や冬の厳しい寒さに見舞われる日でも快適に見て回れるでしょう。
なお服装は長袖を着用するのが望ましいです。
夏場でも半袖を着用すると風邪を引く恐れがあるため、上に羽織るものを用意していくと良いでしょう。
また雨が降った直後は水量が増えている分、水滴も多めになっているため、カッパも用意するのがおすすめです。
見どころ②:薄暗い洞窟の中に響く水滴の音色が美しい水琴窟


水琴窟は鍾乳洞で指折りのおすすめスポットに数えられます。
鍾乳洞に入ってからまっすぐ進んだ左側にあり、地中には瓶(つくばい)が埋められている場所です。
そして天井から垂れている鍾乳石から水滴が瓶に落ちる瞬間、心癒されるような美しい音色が聞けます。
音自体はよく耳を澄ませなければ聞こえない程度の大きさではあるものの、疲れやストレスを和らげてくれるでしょう。
加えてほの暗い洞窟の中で水滴の音がするシチュエーションも、鍾乳洞だからこそできる経験です。
日原鍾乳洞の魅力・見どころ③:ネーミングは怖いけどライトアップが美しい死出の山


水琴窟からさらに奥へ細長い道を進んでいくとたどり着けます。
天井が崩落して形成された場所である分、上を見上げた時の高さに圧倒させられるでしょう。
死出の山では、カラフルにライトアップされているのが大きな魅力です。
洞窟の壁が赤や紫、黄色、緑色など7色のライトで照らし出されているため、洞窟内最大の撮影スポットとしても知られています。
先にある縁結び観音まで続く階段の壁を照らすようにライトアップされているため、ぜひ注目してみてくださいね。
見どころ④:ご利益で有名な縁結び観音


死出の山から長い階段を上がって行くと見えてくる、石に囲まれた区画に安置されている観音像です。
縁結びのパワースポットとして知られており、出会いや恋愛の成就を願って鍾乳洞に来るカップルもたくさんいます。
観音像の周りには多くの小銭やお守りがお供えされており、雰囲気を醸し出してくれています。
ちなみに周りの石も参拝客が置いたものです。
見どころ⑤:RPGのダンジョンを冒険する気分になる新洞エリア


縁結び観音を過ぎると、日原鍾乳洞の行程も後半に入ります。
後半のルートは「新洞」と呼ばれ、昭和時代に新しく発見されたエリアです。
アップダウンが激しかったり、屈まないと進めなかったりする場所がある分、まるでRPGに登場するダンジョンを冒険している気分になれます。
またところにより深い穴がある分、なおさらスリルも感じやすいです。
ちなみに歩道が整備されていたり、危険な場所にはフェンスが設置されていたりする分、安全面の心配はありません。
ルート上には様々な鍾乳石や石筍(せきじゅん)がそびえており、見ごたえも抜群です。
見どころ⑥:自然の神秘や営力を感じさせる金剛杖・白衣(びゃくい)観音


金剛杖と白衣観音は新洞の途中にあるスポットで、両方とも石筍が自然の営力で変化して形成されました。
金剛杖はいくつもの石筍が1体になった伸びたもので、2.5mもの長さになっています。
見る角度によって金の杖のようにも見える点が魅力です。
白衣観音は金剛杖の向かいにあるもので、石筍が後光を伴った観音様の姿に見えるところから来ています。
ちなみに石筍は1㎝成長するのに300年以上の歳月が必要です。
金剛杖や白衣観音の独特な姿を見ると、自然の壮大さや不思議さをまざまざと感じられるはずです。
日原鍾乳洞周辺の観光スポットを紹介!


日原鍾乳洞を訪れるのであれば、周辺にあるスポットも色々と周ってみたいですよね。
鍾乳洞の周りにはランチスポットや温泉などもいくつかあるため、合わせて見ていくとより楽しみが増すはずです。
日原鍾乳洞売店:鍾乳洞のすぐ近くでのランチに最適


鍾乳洞のすぐ近くにあるお店で、ランチをいただける食堂の他にもお土産物屋も併設しています。
ランチメニューは、ラーメンや山菜うどん・そば、川魚の定食など種類が豊富です。
特におすすめなのがマス定食(1,000円)で、近くを流れる川で獲れたマスを使っています。
自然豊かな奥多摩の山奥らしい味を堪能できるので最高です。
お店自体も静かで落ち着いた環境にあるため、じっくりとランチを食べるにはおすすめです。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原1052
■営業時間:10:00~15:30
■休業日:不定休
■アクセス(詳細は後述):西東京バス「日原鍾乳洞」バス停下車後、徒歩5分
(土日祝日や大型連休時は「東日原」バス停下車後、徒歩25分)
■新型コロナウイルス対策情報:店内換気や消毒・除菌の実施、非接触への取り組み実施中
食彩キッチンメイフライ:鍾乳洞近くでピザをいただけるイタリアンのお店


日原鍾乳洞に向かう途中にあるイタリアンのお店です。
ピザやパスタなどのメニューを豊富に取り揃えています。
加えてピザが1,000円台、パスタも800円台とリーズナブルになっている点も魅力です。
おすすめのメニューがスペアリブライス(1,000円)で、ジューシーさで一気にかぶりつけるほどの美味しさで評判があります。
加えてテラス席もあり、眼下に流れる日原川のせせらぎを聞きながら食べると、身も心も癒されるでしょう。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原68
■営業時間:10:30~17:00(※月曜日は休業日)
■アクセス:西東京バス「日原鍾乳洞」バス停下車後、徒歩5分
(土日祝日や大型連休時は「東日原」バス停下車後、徒歩25分)
■新型コロナウイルス対策情報:店内換気や消毒・除菌の実施、非接触への取り組み実施中
奥多摩温泉もえぎの湯:日帰りで最古の地層から湧き出るお湯に浸かれる
奥多摩駅から都心方面に歩いて10分の多摩川沿いにある温泉施設です。
日本でも最古の地層である「古生層」から汲み上げている源泉のかけ流しになっています。
内湯と露天風呂があり、特に露天風呂からは真下を流れる多摩川のせせらぎを感じたり、周りに広がる豊かな緑で癒されたりする点が特徴です。
お湯もさらさらした感触である分、優しい肌触りになっている点も人気の秘密になっています。
足湯も併設されているため、特に鍾乳洞などを歩いて足が疲れている人におすすめでしょう。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原68
■営業時間:10:00~20:00(12~3月は19:00まで・最終入場時間は閉店1時間前)
■休業日:月曜日
■料金:大人850円(3時間まで:超過料金1時間に付き200円)、小学生450円
■アクセス:JR青梅線奥多摩駅より徒歩10分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.okutamas.co.jp/moegi/
日原渓流釣場:鍾乳洞観光に合わせて渓流釣りを楽しめる


日原鍾乳洞の近くを流れる日原川沿いにある釣り場です。
日原地域を代表する渓流釣りスポットとして知られています。
マスやヤマメなどの渓流では定番の川魚が多く放流されている上、広い岩場も多く用意されているため、のんびりと釣りを楽しめます。
自分で釣った川魚は自分で下処理を済ませておけば調理して貰うことも可能です。
自分で釣った川魚はより美味しく感じること間違いなし!
渓流釣り以外にもバーベキューや食堂での食事も堪能できます。
食堂のメニューでも、マスの塩焼き(500円)が特に人気です。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原1048
■営業期間:3/1~11/30
■営業時間:8:00~17:00(3月は16:30まで)
■料金:入漁料3,300円、貸竿代200円、餌代:350円~
■アクセス:西東京バス「日原鍾乳洞」バス停より徒歩3分
■新型コロナウイルス対策情報:店内換気や消毒・除菌の実施、非接触など三密の防止への取り組み実施中
日原ふるさと美術館:静かな環境で名画伯の絵を鑑賞できる
「東日原」バス停から歩いて3分の場所にある美術館です。
洋画家として名高い倉田三郎画伯(1902~92)の作品を年数回入れ替えながら展示しています。
画伯は30年以上にわたって世界50ヶ国以上を巡る中で、多くの風景画を残してきました。
美術館の立地自体も豊かで静かな自然に抱かれた場所にあるため、鍾乳洞観光に合わせて落ち着いた美術鑑賞のひと時を持てます。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原775-4
■営業時間:10:00~17:00
■休業日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)・年末年始
■アクセス:西東京バス「東日原」バス停より徒歩3分
■新型コロナウイルス対策情報:館内換気や消毒・除菌の実施、非接触など三密の防止への取り組み実施中
日原森林館:普通以上に巨大な木の情報に触れられる日本で唯一の巨樹博物館
日原ふるさと美術館と同じく「東日原」バス停から歩いて3分の場所にある博物館です。
高さ1.3m以上・幹回り3mを超える巨樹を展示する博物館では、日本唯一のものとして知られています。
館内には巨樹のデータベースにアクセスできるパソコンや巨樹の絵画・写真など、巨樹にまつわる情報が豊富です。
加えて建物から外を見ると野生のカモシカや二ホンジカも見られるため、奥多摩の豊かな自然も感じられるでしょう。
奥多摩の知られざる一面を知るにはおすすめのスポットです。
■住所:東京駅西多摩郡奥多摩町日原819
■営業時間:10:00~17:00(12~3月は16:00まで)
■休業日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)・年末年始
■入館料:大人200円・小中学生100円
■新型コロナウイルス対策情報:館内換気や消毒・除菌の実施、非接触など三密の防止への取り組み実施中
日原鍾乳洞までのアクセス・所要時間


実際に日原鍾乳洞へ出かける際、アクセス手段や所要時間などが気になりますよね。
日原鍾乳洞へ向かう際、公共交通機関を利用する方法と、車やバイクを使っていく方法があります。
電車とバスを利用する場合


電車とバスを使う場合、経由地はJR青梅線の終点・奥多摩駅です。
奥多摩駅までは、まず新宿駅からJR中央線快速で立川まで行きます。
立川で青梅線に乗り換えた後は、青梅駅で1度乗り換えた上で奥多摩駅に向かうルートです。
ただし土日祝日であれば、新宿駅から奥多摩駅に直通する「ホリデー快速おくたま」号が運行されるため、乗り換えの手間が掛かりません。
新宿駅から奥多摩駅までの所要時間は約1時間50分です。
奥多摩駅からは日原方面に向かう西東京バスに乗車します。
平日にアクセスする場合は、「鍾乳洞」行きに乗車し35分ほどで「日原鍾乳洞」バス停で下車です。
下車後、鍾乳洞の入口へは5分程度で到着します。
一方土日祝日の場合は、鍾乳洞まで向かうバスがありません。
平日の場合と同じく日原方面のバスを利用し、約24分乗車した後で途中の「東日原」バス停で下車します。
バス停からは、徒歩25分かけて山道を歩けば到着です。
土日祝日に訪れる場合は、なるべく歩きやすい靴を用意した方が良いでしょう。
車とバイクを利用する場合と駐車場情報


一方車やバイクを利用する場合は、新宿からは中央自動車道を経由し圏央道の日の出I.C.まで進みます。
日の出I.C.から国道411号線と都道204号線を走れば到着です。
全体の所要時間は約1時間50分となります。
一方名古屋など西側から来る場合は、中央自動車道の上野原I.C.から山梨県道・東京都道33号線と東京都道206号線などを経由すれば1時間35分ほどで到着です。
鍾乳洞の前には駐車場があります。
スペースは約20台分で、料金は無料です。
ただし土日祝日や大型連休の際は混雑が激しいため、旧日原小学校跡の校庭にある駐車場(約30台分)も合わせて利用すると良いでしょう。
おわりに


今回は都内有数の鍾乳洞である日原鍾乳洞について、周辺スポットとともにご紹介しました。
鍾乳洞内部だけでも様々な見どころがある上、快適な環境で見て回りやすいです。
加えて周辺にも渓流を楽しんだり、帰りにのんびり楽しめる温泉があったりする点でも思い出を作れます。
日原鍾乳洞自体がほぼ1年中見て回れるスポットであるため、ぜひ訪れてみてくださいね。