「奈良の大仏さま」に出会える東大寺。大仏さまが鎮座する大仏殿をはじめ、巨大な金剛力士立像が左右に立つ南大門、お水取りで有名な二月堂など、広大な境内には見どころがいっぱいです。

今回は、東大寺の歴史や見どころ、御朱印、周辺の穴場スポットなどについて紹介します。

 

 

 

東大寺とは?

東大寺
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華厳宗の大本山である「東大寺」は、奈良観光の中心エリアとなる若草山の麓に位置します。

1998年には興福寺や春日大社、薬師寺などとともに世界遺産に登録され、外国人観光客からも絶大な人気を誇っています。

 

東大寺の歴史

東大寺の大仏
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東大寺のはじまりは、728年に聖武天皇が早世した皇太子のために建てた金鍾山寺(きんしょうさんじ)。

その後、仏教の力で国を守ろうと決意した聖武天皇により、747年に大仏の造立が始まりました。

東大寺の名前が用いられるようになったのは、この頃からと伝えられています。

行基などの尽力により、752年に大仏が開眼します。

盛大な大仏開眼会(かいげんえ)が開かれました。

大仏殿は、平安時代と戦国時代の2度の戦いに巻き込まれたものの、多くの人々の寄進により修復されてきました。

現在の大仏殿は1709年に再建されたものです。

大仏殿をはじめ、南大門、二月堂など8つの建造物、奈良の大仏さんの名で親しまれる本尊の「廬舎那仏(るしゃなぶつ)坐像」や南大門の「金剛力士立像」など多くの仏像や工芸品が国宝に指定されており、華やかな天平文化にふれることができます。

 

世界最大級の木造建築「大仏殿」

東大寺大仏殿
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奈良のシンボルである大仏さまが鎮座する大仏殿の大きさは、幅約57m、奥行き約50m、高さは約48mもあります。

創建時と比べると幅は3分の2ほどに縮小されたそうです。

2層になった大屋根の瓦の数は約11万枚、重さは1,500tもあるそうです。

正面にある窓は「観相窓(かんそうまど)」と呼ばれるもので、年始やお盆など年に数回だけ開かれ、大仏さまのお顔を外から拝むことができます。

大仏殿前に立つ大きな「八角灯籠」は、創建当時のままに残っているもので、国宝にも指定されています。

 

奈良のシンボル「大仏さま」

東大寺の大仏
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本尊である大仏さま(廬舎那仏坐像)は、高さ約15mにも及ぶ世界最大の金剛仏です。

約500tもの銅が使われ、大仏造立に携わった人は約260万人以上と伝えられています。

「廬舎那」には光輝くという意味があり、造立された頃は身体全体が錬金されていて、輝いていたそうです。

相手に対して畏れることはないという意味の施無畏(せむい)印を示す右の手のひらの長さは約2.56m。

中指の長さは約1mもあるそうです。

大仏殿内の柱の1本には、大仏さまと鼻の穴のサイズ(高さ約30㎝・幅約37㎝)の穴が開けられています。

くぐれば頭が良くなったり、厄除けになるといわれています。

ぜひ、チャレンジしてみましょう。

 

東大寺のおすすめ拝観コースと見どころ

東大寺大仏殿
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東大寺の広い境内には、大仏殿のほかにも見どころが点在しています。

大仏殿だけなら約1時間で拝観できますが、二月堂などをめぐるのなら、拝観時間は約2時間30分~3時間程度は必要です。

春や秋の観光シーズンには非常に多くの観光客が訪れます。

御朱印をいただいたり、ミュージアムを見学したり、仏像やお堂をじっくり見て回りたい方は、時間に余裕を持って訪れましょう。

 

東大寺のおすすめ拝観コース

東大寺南大門
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「南大門」から入って、「東大寺ミュージアム」、「大仏殿」、「二月堂」、「法華堂(三月堂)」、「戒壇堂」をめぐるのが、おすすめの拝観コースです。

時間に余裕があれば、その他のお堂をめぐったり、「大仏池」の周りを散策したり、「正倉院」の外観を見学してみるのもいいですね。

 

金剛力士像が迫力満点「南大門」

金剛力士像
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参道にそびえる高さ約25mの国宝「南大門」。

両脇には、巨大な国宝「金剛力士立像」が向い合って立っています。

鎌倉時代を代表する仏師の快慶と運慶らが、わすが69日で作り上げたといわれる阿行像と吽行像は仁王像の最高傑作です。

これら2体の像の高さは8mを超え、迫力がある姿に圧倒されます。

 

東大寺の寺宝を展示「東大寺ミュージアム」

東大寺ミュージアム
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南大門を出て、左手にある「東大寺ミュージアム」は、国宝「日光菩薩・月光菩薩立像」など、東大寺が所有する寺宝を収蔵・展示しています。

館内では様々な展覧会が催されていることもあり、彫刻や絵画などが時代の流れによってどのように変遷してきたのかを、目で見て体感することができます。

2018年秋に新設された映像ブースでは、東大寺や大仏殿建立の歴史を学べます。

 

東大寺随一の絶景スポット「二月堂」

二月堂
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境内の高台に建つ国宝「二月堂」は、3月に行われる「お水取り」で知られています。

お水取りは、正式には修二会(しゅうにえ)と呼ばれ、1250年以上前から行われている奈良に春の訪れを告げる伝統行事です。

たくさんの灯籠が吊るされた西に張り出した舞台からは、奈良市街が一望できます。

吊り灯籠や大提灯が灯され、大仏殿の向こうに沈む夕日が美しい夕暮れどきは絶景です。

 

東大寺最古の仏堂「法華堂(三月堂)」

法華堂
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別名「三月堂」の名で知られる国宝「法華堂」は、大仏開眼以前に建てられたと伝わる東大寺に現存する最古の建物です。

本尊の「不空羂索(ふくうけんさく)観音立像」、「金剛力士立像」、「四天王立像」など、堂内に安置されている奈良時代作の10体の仏像はすべて国宝に指定されています。

仏像好きの方に、ぜひ拝観してほしいお堂です。

 

鑑真和上ゆかりの「戒壇堂」

戒壇堂
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「戒壇堂」とは、僧が守るべき戒律を授かる場所です。

775年に、日本で初めて鑑真和上が東大寺に創設しました。

現在のお堂は、江戸時代に再建されてものです。

戒壇の四方は、国宝「四天王立像」によって守られています。

 

東大寺の四季の見どころ

桜越しの大仏殿
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東大寺は、四季を通じてさまざまな表情を見せてくれる美しい寺です。

東大寺の四季ごとの見どころを、年中行事や周辺のおすすめスポットとともに紹介します。

 

桜が美しい春の東大寺

桜と大仏殿
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東大寺に隣接する奈良公園は、「日本のさくら名所100選」に選ばれた桜の名所です。

3月下旬から4月下旬にかけて、ソメイヨシノやナラノヤエザクラ、ナラノココエザクラなど、約1,700本もの桜が咲き誇ります。

東大寺境内も、大仏殿など境内のあちこちがピンク色の桜で彩られます。

桜が見ごろとなる4月8日には、お釈迦さまの誕生を祝う「仏生会(ぶっしょうえ)」が開かれます。

大仏殿前は花御堂が設けられ、誕生仏に甘茶をかける灌仏(かんぶつ)をしたり、甘茶のふるまいを受けることができます。

芝の新芽が芽吹き始めた若草山に登って、桜で彩られた東大寺や奈良公園を一望するのもおすすめです。

 

光に照らし出される夏の東大寺

万灯供養会
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奈良の夏の風物詩といえば、「なら燈花会(とうかえ)」。

8月上旬から8月14日まで、東大寺をはじめ、興福寺、春日大社、浮見堂、猿沢池、京都国立博物館など、奈良の世界遺産や名所が、約2万本ものろうそくのやさしい灯で照らし出されます。

「なら燈花会」が閉幕した翌日8月15日は、盂蘭盆の最終日。

東大寺では、大仏さまに灯籠をお供えして法要する「万灯供養会」が行われます。

大仏殿の周りには2,500基もの灯籠が並べられ、幻想的な雰囲気に包まれます。

仏殿正面の観相窓も開かれ、灯に照らされる大仏さまのお顔を参道から拝むこともできます。

また、この日は「春日大社」の3,000基もの灯籠すべてが灯される「中元万燈籠」や高円山の「大文字送り火」も行われ、多くの観光客で東大寺周辺は賑わいます。

 

紅葉が美しい秋の東大寺

大仏池
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10月下旬ごろになると、大仏池周辺など、境内のいたるところで紅葉を楽しめます。

大仏殿裏や東塔院跡では、イチョウが黄色い絨毯のように広がります。

法華堂に隣接する「手向山(たむけやま)八幡宮」は、大仏建立の際に東大寺の守護神として祀られた由緒ある神社です。

菅原道真が「このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」と詠んだように、手向山は古くから紅葉の名所として知られています。

北門の大イチョウなど、境内を彩る紅葉を楽しめます。

10月下旬から11月上旬にかけては、東大寺前の「奈良国立博物館」では毎年恒例の「正倉院展」が開催されます。

東大寺周辺の紅葉とともに、貴重な正倉院の宝物を楽しみましょう。

「正倉院展」の開催期間は、土日祝日などは非常に混雑しますので、平日に訪れたり、前売り券を購入するなどの対策をしておきましょう。

 

幻想的な冬の東大寺

なら瑠璃絵
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除夜の鐘に始まり、初詣、2月の星供養(節分)、3月のお水取りなど、冬を迎えた東大寺ではさまざまな年中行事が行われます。

また、寒さがより厳しくなる2月上旬の2週間には、ライトアップイベント「~しあわせ回廊~なら瑠璃絵」が開催され、東大寺と春日大社、興福寺の三社寺が、無数のLEDライトでライトアップされます。

高貴な瑠璃色の「光の回廊」はとても幻想的。

最終日には花火も打ち上げられます。

東大寺では、南大門や大仏殿などがライトアップされ、大仏殿の観相窓が開かれ、八角燈籠が点灯されます。

風のない夜には、鏡池に映り込む大仏殿の姿にも出会えます。

 

東大寺の御朱印

東大寺 御朱印
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東大寺で御朱印をいただける授与所は、大仏殿、二月堂、法華堂、四月堂、俊条堂、鐘楼、念仏堂、行基堂、不動堂、指図堂、戒壇院、真言院の12ヶ所です。

東大寺鎮守社である手向山八幡宮を含めると13ヶ所にも及びます。

御朱印の種類は、大仏殿の「華厳」をはじめ、15種類以上もあります。

御朱印をいただける時間は拝観時間内で、御朱印料は300円です。

東大寺では、菊や桜柄などのオリジナルの御朱印帳(800~1,300円)が用意されています。

また、御朱印ガールで知られるタレント・篠原ともえさんがデザインした御朱印帳(2,000円)もあります。

大仏さまや鹿などのイラストが刺繍で施された東大寺らしいデザインです。

 

東大寺へのアクセスと基本情報

ここからは東大寺へのアクセスと基本情報をご紹介します。

 

東大寺へのアクセス

JR奈良駅
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東大寺の最寄り駅は、JR奈良駅または近鉄奈良駅です。

・京都からのアクセス

JR京都駅~奈良線~JR奈良駅 快速で約50分

近鉄京都駅~京都線・奈良線~近鉄奈良駅 特急で約35分

・大阪からのアクセス

JR大阪駅~環状線・大和路線~JR奈良駅 快速で約50分

大阪難波駅~近鉄奈良線~近鉄奈良駅 快速で約40分

 

JR奈良駅または近鉄奈良駅から東大寺へは、奈良交通の市内循環バスがおすすめです。

乗車時間は約5分、「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停で下車して、南大門までは徒歩約5分です。

東大寺周辺とともに唐招提寺や薬師寺、法隆寺をめぐるお得なフリーきっぷもあるので、ぜひ利用してみましょう。

東大寺には参拝者専用の駐車場はありませんので、東大寺のある奈良公園周辺にある「奈良登大路自動車駐車場」やコインパーキングを利用することになります。

 

東大寺の拝観料

東大寺南大門
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大仏殿と法華堂、戒壇堂、東大寺ミュージアムでは、それぞれで拝観料(入堂料)が必要です。

大人・中高生は600円、小学生は300円です。

 

東大寺
■住所:奈良県奈良市雑司町406-1
■営業時間:大仏殿・法華堂・戒壇堂 7:30~17:30(4~10月) 8:00~17:00(11~3月)
東大寺ミュージアム 9:30~17:30(4~10月) 9:30~17:00(11~3月)
■詳細情報(URLなど):http://www.todaiji.or.jp/

 

東大寺周辺の穴場のおすすめスポット

ならまちの街並み
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世界遺産の春日神社や興福寺などの定番スポットの他に、東大寺周辺には穴場のスポットもたくさんあります。

 

世界遺産「元興寺」

元興寺
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東大寺から徒歩約20分の世界遺産「元興寺(がんごうじ)」は、日本最古の寺といわれる飛鳥の法興寺を718年に移した歴史ある寺です。

奈良時代には南都七大寺の1つとして、東大寺や興福寺と並ぶ大寺だったそうです。

現在は、本堂である「極楽堂」と「禅室」を残すのみとなっています。

2つの建物は国宝にも指定されており、行基葺きと呼ばれるモザイクのような色合いの屋根が特徴です。

 

元興寺
■住所:奈良県奈良市中院町11
■営業時間:9:00~17:00(受付は16:30まで)
■アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約15分
■詳細情報(URLなど):http://www.gangoji.or.jp/

 

町家が並ぶ「ならまち」

ならまち格子の家
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元興寺の周辺の風情ある町並みは、「ならまち」と呼ばれる人気のエリアです。

格子が美しい町家をリノベーションしたカフェや飲食店、雑貨店など、レトロでおしゃれな店が集まっていて、休憩やおみやげ探しにおすすめです。

伝統的な町家を忠実に再現した「ならまち格子の家」では、格子や中庭、箱階段、土間など、昔の町家の暮しを無料で体感できます。

 

ならまち格子の家
■住所:奈良県奈良市元興寺町44
■営業時間:9:00~17:00
■アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約20分
■詳細情報(URLなど):https://narashikanko.or.jp/spot/structure/naramachikoshinoie/

 

万葉植物に出会える「春日大社神苑萬葉植物園」

萬葉植物園
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「萬葉植物園」は、「万葉集」に詠まれている約300種の植物を栽培する植物園です。

広さは約3万haもあり、四季折々の草花を楽しめるスポットです。

4月から5月にかけては、春日大社の社紋である約200本の藤の花が見ごろとなります。

また、5月5日と11月3日には、園内の池に浮舞台が設けられ、奈良時代から受け継がれてきた雅楽が奉納されます。

 

春日大社神苑萬葉植物園
■住所:奈良県奈良市春日野町160
■営業時間:9:00~17:00(3~10月) 9:00~16:30(11~2月)
■アクセス:春日大社表参道バス停から徒歩約10分
■詳細情報(URLなど):http://www.kasugataisha.or.jp/h_s_tearoom/manyou-s/index.html

 

まとめ

ライトアップされた東大寺
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奈良のシンボル「奈良の大仏さん」を祀る世界遺産「東大寺」を紹介しました。

東大寺には、修学旅行などで訪れたけど、拝観したのは大仏殿だけという方も多いのではないでしょうか。

紹介したお堂以外にも、東大寺には本坊経庫や念仏堂、鐘楼など、国宝や重要文化財に指定された建造物や仏像がたくさんあります。

次回、東大寺に訪れる機会があれば、大伽藍に点在するお堂をゆっくりめぐってみてはいかがでしょうか。