最終更新日 2021-10-29
「六義園」は、都心にありながら、春の桜や秋の紅葉など、四季折々の美しい自然にふれることができる歴史ある庭園です。国の特別名勝にも指定され、日本を代表する大名庭園として、国内だけでなく海外からも観光客の多い人気のスポットです。
今回は、六義園の歴史や四季の見どころ、周辺のおすすめ観光スポットやランチスポットを紹介します。
「六義園」は、東京都文京区駒込にある都立庭園です。 六義園という名は、文学に造詣の深かった柳沢吉保が、中国の古い漢詩集である「毛詩」の「詩の六義」と、それを転用した紀貫之の「古今和歌集」の序文に書いた「六義」に由来します。 元禄時代の明るいおおらかな気風を反映した江戸大名庭園の代表として、造園された当時から、徳川光圀ゆかりの小石川後楽園とともに江戸の二大庭園として称えられています。 その後、柳沢家の下屋敷として幕末まで使用され、明治時代初期に三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の所有となり、昭和初期に当時の東京市に寄贈され、一般公開されるようになりました。 六義園は大きな池を中心に、現在の和歌山県である紀州の和歌の浦の景勝など、和歌の歌枕に詠まれた名所・旧跡88ヶ所が再現されています。 六義園の最寄り駅は、JR山手線・東京メトロ南北線の駒込駅です。 六義園の最寄りのバス停は上富士前バス停です。 六義園には、駐車場はありません。車でアクセスする場合は、周辺のコインパーキングを利用することになります。 六義園の入園料は、一般は300円、65歳以上の方は150円です。 東京メトロと都営交通の1日乗車券を提示すれば、一般は240円(65歳以上120円)に割引されます。 また、六義園から徒歩約15分の「旧古河庭園」との共通入園引換券(園結びチケット)400円を利用すると、2つの庭園をお得に入園できます。 六義園の所要時間は約60分。 石畳や砂利道、階段やすべりやすい場所を歩くので、スニーカーなどの歩きやすい靴がおすすめ。 また、車いすの貸し出しも行っています。 正門と染井門の窓口横にコイン返却式のコインロッカーが設置されています。 ■住所:東京都文京区本駒込6丁目 ■電話番号:03-3941-2222 ■営業時間:9:00~17:00(イベント開催期間・GWなどには時間延長あり) ■休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで) 六義園のシンボルといえば、内庭大門をくぐった先にある大きなしだれ桜です。 満開は、毎年3月下旬ごろ。 六義園にはしだれ桜の他に、ソメイヨシノやヤマザクラ、サトザクラなど約40本の桜があり、桜の開花時期である3月中旬から4月上旬の2週間にわたり、「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」が開催されます。 期間中は、特設の屋台「さくら茶屋」もオープン。 さらに「吹上茶屋」と「心泉亭」の2つの抹茶茶屋もあり、庭園を眺めながら抹茶と上生菓子をゆっくり楽しむことができます。 六義園は、ツツジの名所でもあります。 六義園周辺は、江戸時代には植木屋が多く立ち並び、園芸文化が盛んでした。 最も高い築山・藤代峠の斜面、玉藻磯の大柴、ヤマツツジのトンネル、八重霧島の大株、樹齢140年のオンツツジなど、園内各所の解説パネルを参考にツツジ巡りを楽しみましょう。 6月中旬ごろになると、約1,000株15品種のアジサイが見ごろを迎えます。 「吹上茶屋」では、アジサイをかたどった上生菓子と抹茶を味わったり、おみやげとして期間限定の「あじさい金平糖」を購入したりすることもできます。 六義園では、11月中旬ごろになると、カエデ、ハゼ、イチョウなど約560本が赤や黄色に美しく色づき、築山や池のほとりなど、園内各所で紅葉を楽しめます。 11月中旬から12月初旬にかけては、「紅葉と大名庭園のライトアップ」が開催されます。 ライトアップではずせないのが、「水香江(すいこうのえ)」。 12月中旬ごろになると、六義園の冬の風物詩「雪吊り」や「雪囲い」を見ることができます。 園内の散策で少し疲れたら、お休み処「吹上茶屋」でひと休みしましょう。 おすすめは、抹茶と上生菓子のセット(600円)。 手ぬぐいや人形焼き、マスキングテープなど、六義園のオリジナルおみやげも購入できます。 「出汐の湊」近くにある「休憩所兼売店」では、「おぼろうどん」などの各種うどん、おしるこなどの甘味、甘酒や煎茶、コーヒーなどのドリンクなど豊富なメニューを味わえます。 六義園から徒歩約3分の「東洋文庫ミュージアム」は、東洋学の専門図書館で、東洋史と文化に関する文献資料約100万点を収蔵しています。 館内には、「日本一美しい本棚」と称される「モリソン文庫」や国宝など貴重なコレクションを展示する「岩崎文庫」、シーボルトゆかりの庭、数々の建築賞を受賞した建物など、見どころがいっぱいの知的で贅沢な空間です。 ■住所:東京都文京区本駒込2-28-21 ■営業時間:10:00〜19:00(イベント開催期間・GWなどには時間延長あり) ■休館日:火曜日(休日の場合は翌日) ■電話番号:03-3942-0280 北区西ヶ原にある「旧古河庭園」は、大正時代に建てられた旧古河財閥の邸宅と庭園を一般公開している都立庭園です。 鹿鳴館などを手掛けたジョサイア・コンドルによる洋館と西洋庭園、近代日本庭園の先駆者・小川治兵衛による日本庭園などの見どころがあり、ドラマのロケ地としても有名。 都内屈指のバラの名所で、約100種200株ものバラが植えられています。 石造りの洋館の建物内部は、1日3回、所要時間1時間のガイド付きツアーで見学ができます。 六義園の染井門前にある大正時代創業の日本そば店。 そば屋には見えないモダンな外観のお店で、テラス席もあります。 ランチでは、せいろなどの単品のそばの他に、そばにイタリアンやフレンチなど洋のエッセンスを取り入れた創作料理が味わえます。 16追加:オリエントカフェ 東洋文庫ミュージアム内にある隠れ家のようなカフェ・レストラン。 小岩井農場直営のレストランで、農業で生産された牛肉や卵などを使用しています。 デザートには、小岩井チーズケーキやアイスクリームをどうぞ。 六義園のそばにあるパンケーキが人気のカフェ。 「卵・牛乳・小麦粉」を使用しないグルテンフリーの「おからのパンケーキ」や季節のフルーツを使用したパンケーキをスペシャリティコーヒーの専門店・堀口珈琲のコーヒーとともに味わえます。 ランチには、テイクアウトができるデリプレートやパンケーキのサンドウィッチのほか、カレーセット、ビーフストロガノフセットなどがあります。ランチボックスを手に六義園を訪れてもいいですね。 ■住所:東京都文京区本駒込6-15-18 クリエイション六義園1F ■営業時間:火木水11:00~17:00(土日祝~18:00) ■定休日:月曜日 ■電話番号:03-6312-3567 都内屈指の名園・六義園の見どころや楽しみ方、周辺のおすすめスポットを紹介しました。 六義園とは?
六義園の歴史
1695年に、5代将軍・徳川綱吉から側用人・柳沢吉保が賜った地に造った下屋敷の庭で、7年の歳月をかけて築かれました。
千川上水から引いた池を中心とした回遊式築山池泉庭園で、面積は約8万7,800㎡、東京ドームの約2倍の広さがあります。
江戸時代の火災や関東大震災、東京大空襲などの被害からも逃れ、造園時の面影を今も残しています。
柳沢吉保が「古今和歌集」に詠まれた世界をそのままに庭園で表現をしようと、自分で設計したものと伝えられています。
綱吉をはじめ、6代将軍・家宣、8代将軍・吉宗もたびたび訪れたという記録が残っています。
1953年には国の特別名勝に指定されています。六義園の八十八境をめぐろう!
かつては、景勝名が刻まれた88本の石柱があったそうですが、現在は32本だけが残っているそうです。園内の要所には解説板が設けられているので、往時に思いを馳せながら宿月湾(つきやどるわだ)、不知汐路(しらぬしおぢ)、心泉(こころのいずみ)、尋芳径(はなとふこみち)など、美しい名前がつけられた「八十八境」をめぐってみましょう。六義園へのアクセス
・電車でのアクセス
駒込駅から徒歩7分でアクセスできます。
また、都営地下鉄三田線の千石駅からは徒歩10分、JR巣鴨駅からは徒歩約15分です。・バスでのアクセス
都営バス・茶51系統で秋葉原駅前バス停から約25分、バス停から六義園まで徒歩2分です。
また、文京区コミュニティバス「Bーぐる(千駄木・駒込ルート)」を利用した場合、六義園入口バス停下車すぐです。・車でのアクセス
桜や紅葉の時期には、混雑が予想されるので公共交通機関を利用されることをおすすめします。六義園のチケット情報
・六義園の入園料
小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料です。
みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)には、無料開放されます。・六義園の割引情報
期限がないので、別の日にもう一つの庭園を巡ることもできます。六義園の基本情報と注意点
売店や茶屋で休憩したり、ゆっくり散策を楽しむのなら、1時間30分~2時間程度かかります。
園内には、車いすコースもあるので、車いすやベビーカーでも園内をめぐることができます。
コインロッカーに入りきらない大きな荷物は窓口で預かってもらえます。季節によって変わる六義園の魅力
六義園のシンボル・しだれ桜
この桜は、戦後間もなく植えられたもので樹齢は約70年。
その大きさは、高さ約15m、幅は約20mにも及びます。
薄紅色の花がまるで滝のように枝いっぱいに咲き誇り、多くの花見客を魅了します。
期間中は、開園時間が21時まで延長され、ライトアップされた幻想的な夜桜を堪能できます。
名物の「三福(みつふく)団子」やおでん、甘酒などの軽飲食を味わえます。
三福団子とは、三つの福、大福・幸福・裕福を願って作られている縁起の良い団子で、しょうゆ味とくるみ味噌の2つの味があります。六義園をカラフルに彩るツツジ
桜が散り始める4月中旬ごろになると、園内各所でさまざまなツツジが咲き始めます。
園内には、その頃流行した古品種を中心に約30種1,000株のツツジが植えられています。本霧島、八重霧島、琉球絞り、大霧紫、オンツツジ、ドウダンツツジ、ヤマツツジなど、白、赤、ピンク、紫の色あざやかなツツジと新緑のコントラストは、見応えがあります。和のアジサイを六義園で楽しむ
ミヤマヤエムラサキやシチダンカ、コアジサイなど、手まり咲きの西洋アジサイとは異なる繊細で優美な和のアジサイを楽しみましょう。幻想的な六義園の紅葉のライトアップ
紅葉に囲まれた「つつじ茶屋」、「山陰橋」、「中の島」、池に映り込む紅葉の様子など、紅葉の美しさは都内随一です。
午後3時ごろに訪れて、昼間と夜の景観の両方を楽しむのがおすすめ。
期間中は、特設の屋台「もみじ茶屋」がオープンし、三福団子や軽飲食を味わいながら、紅葉を楽しめます。
水香江は、開園当初にあった蓮池のことで、青いミストと光が幻想的な世界へと誘います。六義園の冬の魅力
雪が降り積もった静寂な六義園は、年に数回しか見ることのできない貴重な絶景です。
1月を過ぎるとロウバイやボケ、アセビの花などが咲き始め、春に向けてウメやツバキ、スイセンなどの冬の花々を楽しめます。六義園の休み処とおみやげ
吹上茶屋
緋毛氈の縁台に腰かけて、庭を見渡しながらほっこりできます。
桜やアジサイ、桔梗、菊など季節ごとの花をかたどった上生菓子をいただけます。
暑い夏には、冷たいお抹茶をどうぞ。休憩所兼売店
夏にはかき氷も登場。六義園周辺のおすすめ観光スポット
東洋文庫ミュージアム
その中には、「文選集注」や「史記」など国宝 5点と重要文化財7点が含まれています。
三菱財閥の当主・岩崎久彌が1924年に設立した日本最古の東洋学研究図書館がはじまりです。旧古河庭園
2006年に国の名勝に指定されています。
バラが見ごろとなる5月と10月には、「バラフェスティバル」が開催されます
料金は800円。
洋館の中に和室が取り込まれている、和と洋が共存した珍しい内部は必見です。六義園周辺のおすすめランチスポット
総本家 小松庵 駒込本店
江戸の伝統を引き継ぐ生粉打ちののど越しのよいそばが評判です。オリエント・カフェ
シーボルトゆかりの庭園をながめながら、ランチやカフェを楽しめます。
特注の重箱にセットした1日10食限定のランチ「マリーアントワネット」やふわとろオムライスのセット「マルコポーロセット」などが味わえます。ウズナオムオム 駒込
天井の高さは5mもあり、ロフト席からは六義園を眺めることができます。まとめ
観光はもちろん、デートにもおすすめです。
一年を通じてさまざまな表情を見せてくれる六義園を訪れてみましょう。Related posts: