最終更新日 2021-10-28
日本国内でも京都は国内外に広く知れ渡った観光地です。都になる前も含めて1500年もの歴史を持っているだけに、魅力的でおすすめの観光スポットがたくさんあります。今回は京都でおすすめの観光スポット60選を、各エリアごとに見ていきましょう。
どこに行くか迷う!京都の観光スポット
京都は日本が世界に誇る観光地であり、観光スポットも多いです。加えて京都自体が非常に広いため、どこに何があるのかで混乱しやすいと思います。なのでまずここでは、京都の主なエリアを簡単にご紹介します。
嵐山・嵯峨野エリア


京都で最も北西部にあるエリアで、渡月橋や天龍寺などがあるほか、周りにも嵐山や保津峡などもあって風光明媚な地域です。
金閣寺周辺エリア(北山)


金閣寺で有名なエリアで、市街地でも北側にあるうえ、すぐ近くにまで山が迫ってきています。古くから竜安寺や仁和寺、北野天満宮などの有名な寺社仏閣が多いです。
銀閣寺周辺エリア


北山よりも東、鴨川を渡ったところにある地域です。この地域は東山の尾根にも近く、その麓で銀閣寺や哲学の道を中心に静かな雰囲気をたたえるエリアとなっています。
上賀茂・西陣・京都御所エリア


鴨川を北へ向かった上流には上賀茂エリアが広がっており、京都最古の神社である上賀茂・下鴨両神社があることで有名です。またその南には西陣エリアがあり、こちらは京都の中心部でも北の端に当たり、西陣織で知られています。西陣のすぐ南にあるのが、かつての天皇など皇族が住んでいた京都御所です。御所の周りには四季を楽しめる御苑が広がっています。
三条・四条エリア


今の京都市の中心で、いわば京都の繁華街で、個性的な商店街や歓楽街があることで有名です。また二条城や本能寺、壬生寺などの有名な観光スポットも多く見られます。
祇園・東山エリア


三条や四条から東、鴨川を渡った先にある地域です。祇園は多くの舞妓さんを見かけることができる京都一の歓楽街で、中には昔の京都の景観を今に伝えている地域もあります。祇園の南にある東山エリアには舞台で有名な清水寺や、縁結びで有名な八坂神社など知名度が抜群な寺社仏閣も多いです。
京都駅周辺エリア


三条や四条の南、祇園・東山の西側には古都の玄関口である京都駅があります。多くの人々が行き交うため、京都タワーなどのレジャー施設があるほか、東本願寺や西本願寺など非常に大きな規模を誇るお寺も多いです。
伏見・宇治エリア


京都駅より南側に広がる、京都の郊外のようなエリアです。有名かつ面積の大きいお寺や神社があるうえ、郊外であるため、のどかな風景が広がっています。
大原・貴船・鞍馬エリア


京都の市街地から北に離れた山の中にあるエリアです。市街地に比べると静かで美しい風景が広がっている分、古くから多くの人々が静かなひと時を求めてやってきました。
このように京都には、市内の主なエリアだけでも10近くのエリアがあります。ただエリアごとにどのような観光スポットがあるのかを知っておけば、実際に京都に行くときに周りの風景とともに心から楽しめるでしょう。ここからは京都で訪れるべき観光スポットをエリアごとにご紹介していきます。
エリアごとにご紹介!京都でおすすめの観光スポット!
嵐山・嵯峨野エリア
京都の市街地より北西に行った嵐山・嵯峨野エリアには、保津川にかかる渡月橋をはじめ風光明媚な観光スポットがたくさんあります。京都の自然や歴史を存分に楽しみ、心身ともにリフレッシュすることができるエリアです。
渡月橋


渡月橋は嵐山を代表する観光スポットで、桂川の上に掛かっている全長約150mの橋です。その歴史は平安時代前期の9世紀にまでさかのぼり、当時の天皇が橋の上に見える月の美しさをたたえたことにちなんで「渡月橋」と名付けられました。
南西側には嵐山がそびえており、四季折々の山の風景と渡月橋の組み合わせが見事に合うため、かなり写真映えします。特に春の桜や秋の紅葉との組み合わせは、古くから見る人も心を惹きつけてやみません。加えて冬と春にはライトアップもされるため、この時期に歩くとより幻想的な雰囲気に浸れるでしょう。


また映画やテレビドラマのロケにもよく使われるうえ、倉木麻衣さんが2017年に発表した楽曲「渡月橋 〜君 想ふ〜」でも有名です。
このため季節の風景を楽しみながらデートをしたい方や、嵐山らしい場所に行きたい方にとっては、まず第一におススメできる場所です!
竹林の小径


竹林の小径は渡月橋とともに、嵐山を代表する、美しい風景を楽しめるスポットです。渡月橋よりも北側、野宮神社からJR嵯峨野線沿いに大河内山荘庭園まで伸びています。
道の両側には数万本もの竹が植えてあり、その道の長さは約400mにもなるため、徒歩でも人力車でものんびりと景色が楽しめる場所です。涼しげなそよ風や竹の葉が触れ合う音、竹林が醸し出すマイナスイオンで非常に癒されます。


猛暑に見舞われやすい夏の京都でも、この場所は涼しさを感じられるうえ、毎年12月にはライトアップされてとても幻想的な雰囲気を醸し出します。また着物を着ていくと、より涼やかで優雅な雰囲気を味わいながら歩けるでしょう。静かな音やマイナスイオンで癒されたい方にはうってつけの観光スポットです。
天龍寺


天龍寺は京都に数多くある寺社仏閣でも、嵐山エリアを代表する寺院です。また京都で格式の高いお寺とされる京都五山でも第一のお寺とされています。室町幕府を開いた足利尊氏によって建立され、僧侶への講義に使われる法堂(はっとう)や庫裏(くり)など歴史的価値の高い文化財がたくさんある寺院です。
特におすすめのスポットが、室町時代の面影を残した曹源池庭園です。背後に嵐山などの山々がそびえている姿を存分に見られるうえ、池を中心とした見事な庭園が造られている形になっています。周囲の山々は季節によっていろいろな風景を見せてくれ、特に春の桜と秋の紅葉が庭園と織りなす風景は感激させられるものです。
また大方丈は天龍寺を代表する建物で、建物の大きさやふすまの絵の見事さに言葉も出ないほど感動させられます。法堂の天井には、大きな龍を墨一色で描いた雲龍図があります。絵そのものは21世紀の初めに描かれたものですが、躍動感のある龍の姿とどこにいても目玉ににらまれる構造はポイントの1つといえます。
■住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
■アクセス:
・京福電鉄嵐山本線嵐山駅より徒歩1分
・JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅より徒歩13分
・阪急嵐山線嵐山駅より徒歩15分
■拝観時間:8時30分~17時30分
■拝観時間:高校生以上:500円/小・中学生:300円
嵯峨野観光鉄道トロッコ列車


嵐山の北西部にある保津峡沿いを走る観光用のトロッコ列車です。JR嵯峨野線がかつて走っていた路線跡を再利用する形で1991年に開業しました。
JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅から、隣の亀岡市にあるトロッコ亀岡駅までの7.3㎞を25分で結んでいます。保津川の渓谷沿いに進むルートとなっているため、保津川が作り出す岩石や周りの風景を存分に楽しめるのがポイントです。
特に周りの風景は季節に応じてさまざまな表情を見せ、初夏の新緑と秋の紅葉が特に魅力的です。これらの季節が最もにぎわうため、切符は事前に予約して購入するのがおすすめです。


車両自体は窓ガラスのない枠だけが設けられた構造になっているため、途中で風や川のせせらぎも存分に楽しめます。冬に石炭ストーブをくべたストーブ列車も運行される点もおすすめポイントです。
野宮(ののみや)神社


嵐山でも古くからある神社で、JR嵯峨嵐山駅から歩いて10分のところにあります。本格的に歴史の表舞台に出てきたのは平安時代以降のことです。三重県にある伊勢神宮の巫女に選ばれた皇族の女性である斎王が、伊勢に旅立つ前に身を清める場所として使われました。また源氏物語でも舞台の1つになっているという点で有名です。
入口には自然の木をそのまま活かした鳥居が建っていてわかりやすく、周りが竹林に囲まれていてマイナスイオンを醸し出すため、パワースポットとしても知られています。さらに縁結びや安産、学問関係でご利益があるといわれているため、特に女性の参拝におすすめの神社です。日々疲れきっていて癒しやパワーを求めている女性におすすめです!
保津川下り


亀岡市から嵐山にかけて流れる保津川の渓流16㎞を2時間かけて川舟で下る観光ルートです。保津川は保津峡に差し掛かると、奇岩が多く激流もあちこちにあり、さらに場所によっては深めの淵も見られます。このため舟で下るとスリルを存分に楽しめるだけでなく、特徴的な風景もたくさん見られるため、体感や視覚の面で刺激的です。特に秋は紅葉が言葉に表せないほど映えていておすすめです。
加えて船頭さんが川舟をこぐ様と独特な語りでより川下りを堪能できます。なお川を下り終えると、茶屋用の舟に出会って食べ物や飲み物などを買える点も特徴的です。京都観光で刺激や、スリルを味わいたい方におすすめです!
西芳寺(苔寺)


嵐山のやや南側にある臨済宗のお寺です。言い伝えによれば奈良時代の僧侶である行基が、聖徳太子の別荘があったところにお寺を建てたのが始まりと言われています。その後14世紀に復興されてからは多くの人々が座禅を組むために参詣しました。


西芳寺で特に有名なのが、境内全体を覆う苔です。江戸時代から見られるようになった風景で、実に120種類もの苔が生えています。そしてその苔によって、美しく幻想的な緑色の風景をが作り出されており、国内外問わず訪れる人々は非常に多いです。
西芳寺を参詣するには、苔による美しい風景を守るために事前予約制となっており、参詣日の7日前までに必要書類を西芳寺に郵送して手続きする必要があります。幻想的な緑色の庭園風景を楽しみたい方におすすめです!
■住所:京都府京都市西京区松尾神ヶ谷町56
■アクセス:
・京都駅より市バス「苔寺 鈴虫寺」行きで終点の「苔寺 鈴虫寺」停留所下車、徒歩3分
・阪急京都線桂駅よりタクシーで12分
■拝観時間:
7月~9月:10時~
上記以外の時期:13時~(所要時間は約1時間、事前申し込みが必要)
■拝観料:一人3000円以上
金閣寺周辺エリア
京都の観光スポットでも、金閣寺は金箔を貼った豪華な外見で知られています。金閣寺などがある北山地区は、室町時代に建てられた禅宗寺院や古くからある寺社仏閣が多くあるところで有名です。
金閣寺


金閣寺は北山にある臨済宗のお寺で、14世紀末に足利義満によって建てられました。もともとは義満の山荘でしたが、彼が亡くなってから遺言によって寺院となりました。
金閣寺で最も有名な建物が、金箔に覆われた金閣と呼ばれる建物です。3階建てでそのうちの2階と3階に金箔が覆われています。金閣の目前には鏡湖池があり、金色に光る金閣が湖面に映るさまはとても美しいです。また金閣は周りの山や木々との組み合わせでも見事な風景を作り出しており、特に秋の紅葉と冬の雪化粧との組み合わせがおすすめです!


なお金閣寺には、金閣以外にも夕佳(せか)亭などのおすすめのスポットもあります。夕佳亭は江戸時代に建てられた茶室ですが、特に金閣と比べて落ち着いている様にはまた違った意味で魅了させられます。
龍安寺


金閣寺の南西側にある臨済宗の寺院で、15世紀半ばに室町幕府の管領だった細川勝元によって建てられました。その後1467年に起こった応仁の乱で一度焼失しますが、乱が終結した後に復興しました。


龍安寺で最も有名なものが、方丈の隣にある石庭で、全部で15個の石が不思議な位置に配置されているのが特徴です。同時に訪れる人々にいろいろなものの見方をさせてくれます。周りの木々は秋になると紅葉をつけるため、秋に来るとよりいっそう美しい風景を見られるでしょう。
ほかにもスイレンが多く咲く鏡容池や、方丈の中にある襖絵やつくばいも見所です。古い日本の美意識や禅の心を知るうえでおすすめです!


なお境内の西源院で京都名物の湯豆腐を食べられる点もポイントです。おすすめなのが七草と一緒に湯豆腐が入っている七草湯豆腐や、京野菜をふんだんに活かした精進料理です。
■住所:京都府京都市右京区竜安寺御陵下町13
■アクセス:京都駅より市バスで「竜安寺前」停留所下車、徒歩2分
■拝観時間:3月~11月:8時~17時/12月~2月:8時半~16時半
■拝観料:高校生以上500円、小・中学生300円
仁和寺(にんなじ)


竜安寺から徒歩で10分ほど南西に行ったところにある真言宗の寺院で、888年に創建されました。もともと当時の天皇の命令によって建てられたもので、のちに宇多天皇が出家して住んだために「御室(おむろ)御所」とも呼ばれていました。その後も長い間多くの皇族が出家して入ったため、皇室ゆかりの寺院に数えられました。


境内には国宝に指定されている金堂をはじめ、五重塔などの貴重な文化財もたくさんあります。さらに五重塔の前には御室桜が植えられており、京都市内では最も遅い時期に咲く桜として有名です。五重塔と咲き誇る御室桜の組み合わせは言葉が見つからないほど美しいため、文化財と桜を一緒に楽しめる4月後半から5月初めの時期に行くのがおすすめでしょう。花見の季節に桜を楽しめなかった方や、文化財と桜の美しさを堪能したい方におすすめです!
■住所:京都府京都市右京区御室大内33
■アクセス:
・京都駅より市バスで40分
・京福電鉄嵐山本線御室仁和寺駅より徒歩3分
■拝観時間:9時~17時
■拝観料:高校生以上500円、小・中学生300円
北野天満宮


平安時代の政治家で学者の菅原道真を、学問の神様として祭っている神社です。金閣寺からは南の方へ徒歩25分ほど、自転車を使えば15分程度でたどり着けます。特に本格的な受験のシーズンである1月から3月にかけて、多くの受験生などでにぎわう場所として有名です。


北野天満宮は境内の至るところに梅が植えられていることでも知られています。これは祭神としてまつられている菅原道真が梅の花を好んだという故事に基づくものです。梅は2月から3月にかけて満開を迎えるため、境内の賑わいとともに華やかな雰囲気を醸し出してくれます。ほかにももみじ苑もあるため、秋の紅葉も楽しめるポイントです。
2月から3月にかけて梅を楽しみたい方や学問関係でお参りしたい方、秋に紅葉を楽しみたい方向けにおすすめです!
妙心寺


京都にある禅寺でも最大級で、その面積は約33万㎡にも及びます。もともと皇室の離宮であった花園御所を1337年に禅寺に改修する形で開かれました。境内には重要文化財に指定されている仏堂や法堂を中心に多くの建物があり、特に法堂の中には江戸時代に描かれた雲龍図があり、八方睨みの竜がどこにいてもにらみつけてくる面白さがポイントです。


ほかにも境内には多くの塔頭寺院があり、そのうちで一般公開されている退蔵院では、庭先に美しい日本庭園が設けられているうえに、入口に枝垂桜が植えられています。さらに苔が楽しめる桂春院や6月後半だけ公開されて沙羅双樹を楽しめる東林院などもあり、面積が広い分いろいろな楽しめ方ができるのもポイントです。


文化財を見て回ったり、庭園でのんびり過ごしたりと、いろいろな楽しみ方をしたい方におすすめです!
平野神社


金閣寺から歩いて15分のところにあるうえ、北野天満宮からは徒歩3分とほとんど隣にある神社です。平安京への遷都が行われた794年ごろからあるといわれているうえ、平安京遷都を行った桓武天皇の母の祖先を祭ってあることから皇室から大切にされてきた神社です。


境内には60品種もの桜が植えられており、中にはツクバネやタオヤメといった珍しいものもあります。また桜が咲く時期には夜にライトアップされたり、毎年4月10日には祭りも行われたりするため、桜を愛でたいという方や桜が満開な中でデートをしたいカップルなどにおすすめです。
広隆寺


京都に数ある寺院で最も古いといわれている場所です。創建は603年と聖徳太子が活躍した時代のこととされているうえ、太子からいただいた仏像を安置するために建てたのがきっかけといわれています。
広隆寺最大の魅力は、飛鳥時代の創建以来ずっと安置されてきた弥勒菩薩像です。この像は飛鳥時代の仏像を代表する存在で、国宝第1号にも指定されています。ほかにも多くの貴重な仏像が保護されているうえ、境内にある霊宝殿で直接見ることができるという点でおすすめです。仏像を直接見て癒されたい方や伝統のある仏像を目にしたい方にとっては欠かせないスポットです!
■住所:京都府京都市右京区太秦蜂岡町32
■アクセス:
・京都駅より市バスで「太秦広隆寺」停留所より徒歩1分
・JR嵯峨野線太秦駅 徒歩13分
■拝観料:境内自由、大人700円、高校生500円、小・中学生400円
銀閣寺周辺エリア
京都の中心部で北東側、東山でも北の方に金閣寺と並ぶほどの知名度を持つ銀閣寺があります。市内でも比較的落ち着いたエリアには、のんびり散策できる哲学の道沿いに落ち着いてお参りできる寺社仏閣が多いです。
銀閣寺


東山にあるお寺で、室町幕府8代将軍の足利義政の山荘として作られ、彼の死後に寺院となりました。一番中心といえるのが銀閣で、金閣寺にある金閣と異なり銀箔はないものの、素朴で落ち着いたさまが魅力的なです。
また銀閣と並ぶ代表的な建物として東求堂があります。その部屋の一つである同仁斎には、現代にまでつながる和室の様式である書院造で最古のものがあり、春と秋に設けられている特別拝観の時期には、本物の書院造を見物できます。


東求堂のさらに奥には展望台があり、境内全体を見渡すことも可能です。特に秋になると一面に紅葉が見られるため、特別拝観と合わせてこの時期に来ると良いでしょう。出口付近には土産物屋があり、麩(ふ)を使って作ったぎんかくせんべいなど独特な土産物が扱われています。日本の歴史に名高い銀閣や書院造を見たい方におすすめのスポットです!
哲学の道


銀閣寺手前の銀閣寺橋から若王子橋までの南北約2㎞に及ぶ散歩道です。もともと明治時代に多くの作家が構想を練るために散策していましたが、京都で活動した哲学者である西田幾多郎(きたろう)が、日々の哲学研究で思索を目的として足しげく通ったために命名されました。
現在では市民や観光客が自然を楽しむための散歩道となっており、琵琶湖疎水の支流が脇に流れ、さらに沿道にはさまざまな木々が植えられています。春には桜が、秋には紅葉が見られるうえ、冬には降り積もった雪が美しい銀世界を醸し出すのがポイントです。他にも猫も多く住みついているのも特徴といえます。夏以外の季節にのんびりした時間を過ごしたい方や猫好きな方におすすめです!
哲学の道
■住所:京都府京都市左京区浄土寺石橋町
■アクセス:
・叡山鉄道元田中駅より徒歩7分
・京都駅より市バスで「銀閣寺前」停留所より徒歩2分
南禅寺


銀閣寺よりも南側にある、禅宗寺院でも最も格式の高いところです。鎌倉時代の亀山天皇が住んでいた離宮を禅寺にしたもので、室町時代には室町幕府の庇護で繁栄しました。江戸時代でも幕府の保護を受けたうえ、明治時代には疎水の橋が作られるなどもしたため、京都の寺院でも独特の風景があることで知られています。


入口の三門は大きな楼を構えた見事なものです。そのうえ上からは京都の市街地を一望できるほどの風景を見ることができます。また境内にある水路閣は、レンガ造りの琵琶湖疎水の橋が通されており、秋になれば紅葉も見られるので独特な風景を写真に収められるのがポイントです。
このほかにも門前町には多くの湯豆腐料理店が並び、特に「南禅寺順正」は地元の名水と北海道利尻で採れた昆布を使ってだしをとるため、最高級の湯豆腐を味わうことができます。予約なしで利用できるので、混んでいなければぜひ入ってみてはいかがでしょうか。格式ある禅宗寺院とエキゾチックな風景、最高級の湯豆腐料理を楽しみたい方におすすめです!
■住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
■アクセス:
・京都駅より市バスで「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」停留所より徒歩10分
・地下鉄東西線蹴上駅より徒歩10分
■拝観料:
・方丈庭園・三門:一般500円、高校生400円、小・中学生300円
・南禅院:一般300円、高校生250円、小・中学生150円
岡崎神社


「ウサギ神社」の別名で知られる神社で、794年の平安京遷都の際に東の鎮守という意味で創建されました。祭神であるスサノオノミコト一族の使いとされている動物がウサギであるため、狛犬や絵馬もウサギとなっています。


またスサノオノミコト一族が子宝に恵まれたことから、安産や子宝、縁結びのご利益があることでも有名です。このため安産や子宝関係で多くの女性がお参りに来ます。さらに本殿向かいにはおみくじ用のウサギの入れ物が多く置かれているため、撮影スポットとして人気ですです。安産や子宝、縁結びを祈願したい方や、ウサギ好きな方におすすめです!
金戒光明寺


岡崎神社の北側にある浄土宗の寺院で、浄土宗の開祖である法然上人が1175年に開きました。浄土宗最初の寺院として知られ、そのために浄土宗の総本山の1つに数えられています。幕末には京都守護職だった会津藩主松平容保が本陣を構えたり、また新選組が会津藩の後援で結成されたりした場所としても有名です。


境内には幕末に再建された山門や法然上人像が安置されている御影堂があるほか、アフロ地蔵という変わったお地蔵さまも安置されています。アフロ地蔵についてはあまりにも珍しく、参詣がてら写真を撮る方も多いです。また春にはソメイヨシノが、秋には紅葉が見事な風景を醸し出すため、春や秋の参詣がおすすめです!
平安神宮


平安遷都1100周年を記念して、明治時代の1895年に創建された神社です。平安京遷都を行った桓武天皇と、東京に首都が移る前の最後の天皇である孝明天皇が祀られています。神社ではあるものの、平安京を記念して建てられただけに、社殿などは平安京の大極殿を模した造りです。加えて壁や屋根の赤と白の彩が美しく映えます。


また神苑に入ると、3.3万㎡もの広大な敷地に美しい庭園が広がっており、春の枝垂桜や夏の菖蒲など四季折々の風景を楽しめる場所です。平安京ができたばかりにあったであろう建物やその雰囲気を味わいたい方や日本庭園を楽しみたい方におすすめです!
■住所:京都府京都市左京区岡崎西天王町97
■アクセス:
・京都駅より市バスで「岡崎公園美術館・平安神宮前」停留所下車5分
・地下鉄東西線東山駅より徒歩10分
■入場料:大人600円、小人300円
大豊神社


哲学の道でも比較的南側、若王子橋の近くにある神社です。9世紀終わりごろ、当時の宇多天皇の病気回復を目的に創建され、のちに学問の神様である菅原道真も祀られるようになりました。奥には出雲大社の神様である大国主命(おおくにぬしのみこと)も祀ってあり、彼がネズミに助けられた縁からネズミの像が多く「ネズミ神社」の別名もあります。長寿や学問、縁結び関係のご利益が有名です。


大豊神社には多くの椿や梅、桜が植わっているため、冬が終わり春になる時期にはとても美しい景観になります。このため春先にお参りすれば、ご利益とともに美しい風景に心を洗われて、晴れやかな気持ちになれるでしょう。受験や縁結び関係で祈りたい方やネズミに愛着のある方、これぞ春という風景を見ておきたい方におすすめです!
上賀茂・西陣・京都御所エリア
鴨川の上流には京都の歴史をともに歩んできた上賀茂・下鴨両神社があり、さらに西陣から京都御所に至るエリアも京都が歩んできた激動の歴史を物語る観光スポットが多くあります。
上賀茂神社


正式には「賀茂別雷(わけいかづち)神社」といい、京都の市街地より北側、鴨川のさらに上流を流れる賀茂川のほとりにある神社です。神社の歴史は非常に古く、7世紀後半の天皇である天武天皇の時代に創建されたといわれています。このため京都に数ある神社の中で最も古い歴史を持つ神社といわれているほどです。境内には拝殿である細殿があり、ここには大きな清めの盛り砂があって上賀茂神社を象徴する1つとなっています。ちなみにこの盛り砂は購入することができ、浄化に大きなご利益があるとされているものです。


また本殿の近くを流れる川も底が見えるほど澄んでおり、そのせせらぎの音を聞くと心が浄化されたような気分になります。特に例祭である葵祭が行われる初夏になると、とても涼やかな気分を味わえますさらに上賀茂神社の参道や馬場付近には枝垂桜も植えられているため、春に来ると満開の桜も楽しめます。このため季節としては春から夏にかけて訪れるがおすすめです!
他にも5月の葵祭ではこの神社が行列の終着点となっています。桜や川のせせらぎを楽しみたい方や心身の浄化を期待している方、葵祭の行列を楽しみたい方におすすめです。
下鴨神社


正式には「賀茂御祖(かもみおや)神社」といい、上賀茂神社とともに京都で最も古い神社に数えられています。上賀茂神社に比べると少し南、京都の市街地に近いところにある神社です。本殿は2つありますが、どちらも国宝に指定されるほど貴重な文化財で、また重要文化財である楼門も鮮やかな赤と白で彩られた美しさに思わず目が奪われるほどです。


ほかにも境内にはさまざまなパワースポットが存在します。中でも代表的なのが糺(ただす)の森と呼ばれる境内でも北側に広がる鎮守の森です。太古の昔に原始的な祭祀が行われていた遺跡も見つかっており、行ってみて太古の祭りに思いを馳せるのも非常に趣深いでしょう。また神秘的な雰囲気に包まれているため、身も心も浄化される気持ちになります。
当神社も上賀茂神社とともに毎年5月の葵祭では行列がやってきて祭礼を行う場となっているため、実際に行列を見たい場合にはおすすめです。他にも下鴨神社は桜が植えられているうえ、鴨川べりから神社の入口までの桜並木も一緒に楽しめるスポットになっています。神秘的な雰囲気の境内と鴨川べりの桜並木を合わせて、桜を存分に楽しみたい方におすすめです。
大田神社


上賀茂神社から東へ約500m程行ったところにある神社で、上賀茂神社と同じようにきわめて京都で古い神社の1つに数えられます。このため長寿のご利益があることでも有名です。


大田神社は日本国内でも有数のカキツバタ群生地があることで知られています。具体的には参道の脇にある大田ノ沢で群生しており、平安時代から多くの貴族が和歌に残しているほどでした。カキツバタの群生は初夏の5月前半に迎えますが、ちょうどゴールデンウィークや葵祭の時期と重なるため、行楽と合わせて見に行くのがおすすめです!
社家の町


上賀茂神社の門前に広がる神官の屋敷が軒を連ねている一角です。神社の神官が住んでいた屋敷が集落になったものを「社家(しゃけ)」といい、日本各地に存在します。しかし上賀茂神社の門前にある社家の町は現存しているものの中でも全国で最大の規模です。室町時代から形成され、その後代々の神官が移り住むようになりました。


神社境内を流れる川の清らかな水がそのまま屋敷の前を流れているため、涼やかな雰囲気を醸し出しています。特に気温が上がる初夏に出かけると、映える新緑と清らかな水の組み合わせに感動することでしょう。さらに社家の町でも特におすすめなのが西村家社家庭園で、美しい日本庭園を楽しみながら神官がどのような生活をしていたのかを知ることができます。
上賀茂神社界隈では穴場スポットですが、清らかな川と土塀で作られた街並みの景観に心が洗われることでしょう。
社家の町
■住所:京都府京都市北区上賀茂中大路町1
■アクセス:京都駅より市バスで「上賀茂御薗橋」停留所下車すぐ
■西村家社家庭園入場料:大人500円、小学生以下250円
千本釈迦堂大報恩寺


市内でも西陣地区で今出川通りの北側、北野天満宮の東側にある真言宗の寺院です。鎌倉時代の1227年に創建されました。なお千本釈迦堂は大報恩寺の中でも本堂のことを指しますが、室町時代に京都を舞台に何度も起きた騒乱に巻き込まれることなく現存している貴重な寺院です。このため千本釈迦堂は市内に現存するものでは最も古い仏教建築で、国宝にも指定されています。


千本釈迦堂は建物のほか、中にある壁画も貴重で見ごたえがあります。ほかにも霊宝殿で見られる木造の釈迦十大弟子立像も鎌倉時代に作られた当時のままであるため、こちらもおすすめです。加えて、千本釈迦堂の前には美しい枝垂桜もあるため、春先に行っても良いでしょう。京都で現存する最古の仏教建築や仏像をじっくり見たい方におすすめです。
■住所:京都府京都市上京区七本松通今出川上ル
■アクセス:京都駅より市バスで「上七軒」停留所下車すぐ
■拝観時間:9時~17時
■拝観料:大人600円、大学生・高校生500円、中学生以下400円
相国寺


京都御所や同志社大学のすぐ北にある禅寺で、1392年に室町幕府3代将軍だった足利義満によって建てられました。京都五山で嵐山にある天龍寺の次に格式が高いものとされたうえ、室町時代には禅宗文学の中心となった寺院です。現在残っている建物の多くが江戸時代に再建されています。


僧侶を育成するための法堂や本堂に当たる方丈、浴室などが代表的ですが、普段は中を見ることができません。しかし毎年春(3月下旬~6月初旬)と秋(9月下旬~12月初旬)に特別拝観を行っているため、この時期を狙って訪れれば相国寺の魅力を生で感じられることでしょう。ほかにも境内にある承天閣美術館でも相国寺が保管している文化財を見られます。
京都御所


かつて日本の首都が京都だった時代に、時の天皇が公務や私生活に使った宮殿が京都御所です。京都御苑の北西側にある内裏(だいり)の部分を指し、鎌倉時代末期の1331年から天皇が東京に移る1869年まで使われていました。現在も皇室の財産であるために以前はあまり一般に公開されていませんでしたが、2016年から予約不要で一般公開されるようになり、比較的自由に行けるようになりました。


正伝である紫宸殿や生活空間である清涼殿はもちろんのこと、奥にある小御所や御常御殿も見ごたえ抜群です。ほかにも御所周辺の御苑にある木々や花も、かつて宮廷文化が花開いた舞台であるだけに、見ていて心癒されます。春には桃や梅、桜が、秋には紅葉がおすすめです。日本古来の宮廷文化や皇室の暮らしぶりなどに触れたい方におすすめの場所です。
三条・四条エリア
三条と四条は、ともに現代京都の中心地です。このため長い歴史を持つ寺社仏閣や文化財だけではなく、京都の賑わいを体感できるような場所が数多く存在します。
二条城


烏丸御池の西側にある江戸時代に建てられた城です。江戸幕府が京都の防衛や将軍の京都滞在を目的に建てられました。1867年の大政奉還では最後の将軍である徳川慶喜が諸大名の前で政権を返上する旨を発表した場としても知られています。なお明治時代になってからは一時期皇室の離宮としても使われていたため、「元離宮」とも呼ばれていた時期がありました。


二条城で特におすすめなのが、城門をくぐって順路を歩くと見えてくる二の丸御殿です。二条城の主殿であるとともに、大政奉還の舞台にもなっただけに、将軍家の権威を象徴するかのような壮大な造りとなっています。御殿の中を歩くとウグイス鳴きと呼ばれる特殊な警備用の仕掛けを体感することができます。
またふすまや天井の絵も豪華絢爛で、見る人の心をとらえるものとなっています。二の丸御殿以外にも庭園や本丸、天守閣跡など徳川家の繁栄ぶりを今に伝えるものばかりです。さらに桜が美しいため、春がおすすめですが、夏にもライトアップされる上に、プロジェクションマッピングも楽しめるため、夏の思い出作りにデートなどで出かけても良いでしょう。
■住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
■アクセス:
・京都駅より市バスで「二条城前」停留所下車すぐ
・地下鉄東西線二条城前駅より徒歩すぐ
・JR嵯峨野線二条駅より徒歩17分
京都国際マンガミュージアム


京都のメインストリートの1つである烏丸通り沿いに2006年にオープンしたマンガ専門の博物館です。昔の小学校の校舎をリニューアルする形で活用しており、蔵書数は30万冊で、そのうち読み放題の漫画は5万冊もあります。人気のマンガからレアなマンガまでが読めるうえ、中には英語や中国語、スペイン語などに翻訳されているものも多くあるので、外国人観光客でも日本の「MANGA」を心行くまで楽しむことができる場となっています。


また、単にマンガが読めるだけではなく、マンガの歴史や作り方の展示もあり、マンガに対して深い理解ができるようになっています。ほかにも建物がもともと昭和初期に建てられているものであるため、当時のレトロなデザインを見て楽しむのもおすすめです。
■住所:京都府京都市中京区烏丸通御池上ル
■アクセス:
・地下鉄烏丸線烏丸御池駅より徒歩2分
・京都駅より市バスで「烏丸御池」停留所下車すぐ
■入場料:大人800円、中高生300円、小学生 100円
壬生寺


烏丸通りから仏光寺通りに入りそのまま西へ向かったところにあるお寺です。平安時代の991年に建てられました。壬生寺が特に有名なのは、幕末の京都で治安や警備にあたっていた新選組が屯所を設けていたことです。このため壬生寺には新撰組ゆかりのスポットがあるほか、土産物屋でも新選組関係のグッズが購入できます。


境内でも特におすすめなのが、新選組関係のスポットです。東側には局長だった近藤勇をはじめ11人の隊士が眠る壬生塚や正門北にある屯所跡などがあります。また毎年7月16日には1864年に起きた池田屋事件にちなんで、新選組の供養祭を行うのが習わしです。ほかにも毎年3回(2月とゴールデンウィーク、10月)には壬生狂言という特別なの狂言も見られます。新選組の歴史に触れたい方にはおすすめの寺院です。
六角堂


京都駅方面から烏丸通りを北の方へ向かい、六角通りで右に曲がってすぐのところにある寺院です。正式には「紫雲(しうん)山頂法(ちょうほう)寺」という名前で聖徳太子が創建したと伝わっています。また生け花でおなじみの池坊家が住職をしていた縁で、生け花発祥の地としても有名です。なお名前は、上から見た本堂が六角形をしていることが由来となっています。


六角堂は縁結びのご利益があることで知られており、恋が叶うことで有名です。このため恋を叶えたいという方におすすめです。また本堂の周りには太子堂や親鸞堂といった小ぶりの建物や、京都の中心を示すへそ石、さらに多数の地蔵像があり気持ちも和むことでしょう。
錦市場


「京都の台所」と呼ばれる京都を代表する商店街で、四条通りの1つ北を走る錦小路通りで、高倉通りと寺町通りの間400mにわたって伸びています。江戸時代の1615年から栄えている歴史のある通りで、現在では地元の人々だけではなく、修学旅行生や外国人観光客も歩いていて賑やかです。全国に数ある商店街の中でもひときわ活発であるため、2006年には経済産業省から「がんばる商店街」として認定されました。


「京都の台所」と呼ばれるだけに、地元産の野菜や練り物、干物などのお店も多く軒を連ねています。土産物にできるものとしては、千枚漬けをはじめとする京漬物がおすすめです。もちろんほかにもいろいろなものを買えますが、商店街の環境や景観を守るために食べ歩きはできないようになっています。
先斗町(ぽんとちょう)


鴨川の西側、三条通りと四条通りの間を南北に500m走るエリアが先斗町(ぽんとちょう)です。東の鴨川と西の高瀬川に挟まれており、江戸時代に護岸工事を行ったことでこの先斗町が開かれました。最初は高瀬川の水運業者やお客さんを相手にした宿屋がありましたが、幕末になって芸者さんが活動するようになったため、祇園に劣らない舞妓さんの街へと発展しました。


鴨川べりには川床がたくさん設けられており、ここで涼みながら料理をいただけます。京都の夏は基本的に暑いため、納涼のために川床を利用するとなれば5月から9月にかけての夕方がおすすめです。川床で楽しめる料理には和食だけではなく洋食もありますが、京野菜をふんだんに使っているため、どちらを選んでも地元の味を堪能できることでしょう。
本能寺


御池通り沿いで京都市役所の真向かいにある日蓮宗のお寺です。もともと室町時代の1415年に別の場所に創建されました。その後1582年に織田信長が明智光秀に殺害された本能寺の変を経て、現在地に再建する形で移ってきたものです。境内には本堂のほかに、織田信長を祀った信長公墓所や大寶殿などがあります。


おすすめはやはり信長公墓所で、ここには信長を祀った廟のほか、信長のものとされているお墓もあります。また隣には信長と運命を共にした森蘭丸ら100名の武士を合祀したお墓もあるため、戦国時代のロマンに浸れるでしょう。ほかにも大寶殿には宝物館が設けられており、ここでは本能寺の文化財も展示されています。
■住所:京都府京都市中京区寺町通御池下ル
■アクセス:
・地下鉄東西線市役所前駅よりすぐ
・阪急京都線河原町駅から徒歩10分
祇園・東山エリア
京都の市街地でも東側には、「舞妓はん」で有名な祇園や清水寺などで有名な東山が広がっています。古くからの料理屋などもたくさんあって古い京都の景観を味わえる他、有名な寺院が多く集まるエリアです。
八坂神社


四条通の東側の突き当りに鎮座しており、全国的に縁結びで有名な神社として知られています。創建は656年といわれていますが、平安時代の876年に建立されたという説が有力です。いずれにせよ、祇園・東山エリアで最も有名な神社といって良いでしょう。西楼門や本殿には朱が使われているため、鮮やかな赤色をしているのもまた、八坂神社の特徴の1つです。また縁結びのご利益があるのは、大国主命を祭ってある社もあるためといわれています。


八坂神社は縁結びだけではなく厄除けでも知られており、境内にある疫神社に参拝すると無病息災になるといわれているほどです。ほかにも祇園で活動している舞妓さんが美容のために肌につけるご神水もあります。このため八坂神社は女性向けの神社といって良いでしょう。
八坂の塔(法観寺五重塔)


祇園・東山エリア全体から見え、このエリアのランドマーク的な存在となっています。このため祇園界隈を歩いているときに街並みとともに写すと素晴らしい写真になるので、ぜひ一枚撮ってみるのもいいですね。
この八坂の塔の正式な名称は正確には「法観寺」ので、592年に聖徳太子が観音様のお告げを得て建てたといわれています。実際に法観寺の境内で五重塔に登ることもできますが、拝観できる時間や時期が不定期であるため、事前に法観寺に問い合わせておくと良いでしょう。


八坂の塔は祇園や東山にいれば、比較的どこからでも仰ぎ見ることができますが、最もおすすめなのが法観寺の入口まで伸びる八坂通りの坂です。徐々に八坂の塔が見えてくるうえ、古くからの和風建築も多いため、昔にタイムスリップした気分を味わえます。さらに、夜間はライトアップされ、その際に八坂通りから仰ぎ見る八坂の塔はと昼間とは違った幻想的な見え方をするので、夜間に行くこともおオススメします。
高台寺


豊臣秀吉の正室であるねね(北政所)が、秀吉の死後に高台院となって夫を供養するための場として建てられたお寺です。場所は八坂神社の南側にあります。主に本堂に当たる方丈と勅使門、そしてその両方の間に広がる前庭です。方丈はもともと秀吉が建てた伏見城の建物を移転したもので、在りし日の伏見城の姿を垣間見ることができます。また前庭には白い砂がまかれており、その美しさは御堂に上がって見てみるとまた格別なものとなります。


方丈よりさらに奥に行くと観月台や開山堂、霊屋(おたまや)などがあり、特に開山堂と霊屋の間を結ぶ臥竜廊は曲線美とスケールの大きさが特徴的です。残念ながら普段は渡ることはできませんが、夏に青色の紅葉も見えるために一緒に見ると心が洗われた気分になれるでしょう。
■住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町526
■アクセス:
・京都駅より市バスで「東山安井」停留所下車徒歩7分
・京阪本線祇園四条駅より徒歩10分
・阪急京都線河原町駅より徒歩15分
■拝観料:大人600円、中高生250円
建仁寺(けんにんじ)


四条通りから花見小路に入って奥へ進んだところにある、臨済宗のお寺です。鎌倉時代の1202年に、臨済宗の開祖である栄西によって建立されました。その後室町時代には京都五山に数えられるほど繁栄しました。戦国時代に衰退するものの、豊臣・徳川両政権で復興し、芸術の面でも大きく繁栄しました。


建仁寺で見るべきものは建物よりも、むしろ境内に残された芸術作品です。受付を過ぎると江戸時代の『風神雷神図』や、方丈のふすまに描かれた『雲龍図』、方丈の庭に広がる枯山水などを見ることができます。いずれも日本の芸術史に名を残しているものですが、これだけ芸術作品を展示しているお寺はなかなかありません。ほかにも浴室付近に咲く枝垂桜や、方丈の奥側に植えられている紅葉もそれぞれの季節に美しい風景を作り出します。日本の芸術や美意識に触れたい方向けの観光スポットです。
■住所:京都府京都市東山区大和大路建仁寺内通四条下る小松町
■アクセス:
・京都駅より市バスで「東山安井」停留所下車徒歩5分
・京阪本線祇園四条駅より徒歩7分
・阪急京都線河原町駅より徒歩10分
■拝観料:大人500円、中高生300円、小学生200円
清水寺


東山を代表するお寺の一つで、大きな舞台があることで有名です。近くのバス停で降りた後、参道となっている坂を登りきったところにあります。清水寺は平安時代の初期に、東北地方の蝦夷討伐で名高い坂上田村麻呂が中心になって建立されました。幾度の戦乱により焼失と復興を繰り返しましたが、江戸時代に本格的に再建されて現在に至ります。


何と言ってもおすすめは舞台のある本堂です。舞台から見降ろすとそのスケールの大きさに圧倒されます。特に秋には紅葉が息をのむほど美しいため、秋に訪れるのがおすすめです。さらに夜には青い光でライトアップもされるため、より幻想的な雰囲気に浸ることができます。


また本堂より奥にある音羽の滝は、健康と縁結び、学問成就のご利益があるとされ、パワースポットとして人気の高い場所です。このほかに参道の清水坂や二年坂、三年坂にはさまざまな土産物屋や陶器屋が多くあるため、お土産を買う際はぜひお立ち寄り下さい。
■住所: 京都府京都市東山区清水1-294
■アクセス:
・京都駅より市バスで「五条坂」停留所下車徒歩10分
・京阪本線清水五条駅より徒歩25分
■拝観料:高校生以上400円、小・中学生200円
花見小路通


祇園エリアのメインストリートといえる通りです。具体的には三条通から南へ四条通を経由し、建仁寺のすぐ近くまで伸びています。特に四条通から建仁寺までが祇園らしさを感じられる区間で、江戸時代から続く伝統料理店や茶屋が並んでいます。なお21世紀に入ってから電柱などをなくして、電線を地下に通すようにしたため、より古くからの景観を味わえるようになっています。


祇園のメインストリートであるだけに、午後の時間帯には舞妓さんが歩いていることもあるので、一層京都らしさを感じられるでしょう。夜には舞妓さんの姿は見えなくなるものの、提灯に明かりが灯されまた違って京都らしい風景を楽しめます。建物によっては初夏に風鈴を出しているところもあり、そよ風で音が鳴るさまは季節を感じさせるものです。
円山公園


江戸時代まではこの地域にあったお寺の一部だったところを、明治政府が1886年に開設した都市公園です。その後は京都市が管理することになり、現在に至っています。1912年に整備された日本庭園を中心に、西行庵などの史跡もありますが、最も有名なのが枝垂桜です。京都にある枝垂桜の中でも代表的な存在で、毎年4月になると夜桜を楽しむことができます。ライトアップもされ、満開になっている頃には多くの花見客でにぎわいます。


近くにあるカフェ「茶菓円山」は、古くからある料亭のような雰囲気で、落ち着いた時間を過ごせる場所です。白黒の蜜を色とりどりの豆と寒天にかけて食べる福蜜豆は人気のスイーツとなっています。
京都駅周辺エリア
日本が世界に誇る古都京都の出入口にあたるエリアです。ショッピングやレジャーを楽しめるところや、大きな寺院がたくさんあるので、ダイナミックなスケールを楽しめるエリアとなっています。
京都タワー


京都駅の向かいにそびえる高さ131mのタワーで、1964年12月に完成しました。地上100mにある展望室からは京都の街並みはもちろんのこと、周りの山々の見渡しも良く、天気が良ければ遠く大阪の方も一望できます。


京都タワーは単に展望室があるだけではなく、地下には大浴場が、地上のビル部分には商業施設である京都タワーサンドがあり、いろいろな楽しめ方ができるのもポイントです。大浴場は朝7時から営業しているので、夜行バスを使って京都に着いた際に入浴していただけます。
一方京都タワーサンドには、フードコートやお土産物屋さんが数多く出店しており、ここで京都名物の料理を食べたり、京都のお土産を買ったりすることもできます。京都の景色を一望するだけでなく、京都らしいものを買ったり食べたりするうえでもおすすめです。
■住所:京都府京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町721-1
■アクセス:京都駅より徒歩3分
■営業時間:9時~21時
■入場料(展望室):大人770円、高校生620円、小・中学生520円、幼児(3歳以上)150円、障害者(手帳提示)350円
京都駅ビル


古都京都の玄関口として1877年に開業した京都駅の4代目駅舎で、1997年にリニューアルという形でオープンしました。全体がガラスと鉄骨でできた斬新なデザインで、まるで近未来都市にいるように感じさせられます。特にJR線烏丸口付近の吹き抜け部分は圧巻といえる造りです。構内にはホテルグランヴィアや伊勢丹が入店しており、食事やショッピングなどで1日中楽しむことができます。


京都駅ビルで特におすすめなのが、屋上にある空中庭園「葉っぴいてらす」です。烏丸口改札から左側のエスカレーターで上がっていくと、中心部に竹と芝生が植えられたガーデンスペースがあり、のんびりくつろげる空間となっています。また、周りは展望デッキになっており、ガラス越しに京都の街並みが見えます。北側ではは遠くの北山や嵐山を、南側の方では眼下の東寺や大阪方面を一望することができます。
食事やショッピングをして1日過ごしたい方や、空中庭園でのんびりくつろぎたい方におすすめです。
東本願寺


日本最大の仏教宗派である浄土真宗のうち大谷派の総本山である寺院で、京都駅からであれば烏丸通りを歩いて行っても10分以内で着ける近さです。建物そのものは江戸時代に建てられたもので、今では2016年まで行った大修理を経てより美しい姿を見られるようになっています。


中心となる建物が、開祖である親鸞聖人などの像が安置されている御影堂や、本尊である阿弥陀如来の像が安置されている阿弥陀堂です。このうち御影堂は明治時代に建立されたものとはいえ、世界最大の木造建築とされているため必見です。
他にも御影堂門も2015年に改修されたばかりで美しく、門の外にはイチョウや紅葉が植わっているため、秋には建物と木々が壮観さと美しさを伴った風景を織りなします。改修したてでより美しくなった東本願寺の建物や秋の美しい紅葉を眺めたい方におすすめです。
西本願寺


浄土真宗本願寺派の総本山で、京都駅の西側を南北に走る堀川通り沿いにあります。安土桃山時代の1591年に豊臣秀吉の後援で建立され、現在の形になったのは18世紀後半のことです。秀吉の援助を受けて建立されただけに、境内には安土桃山文化の粋を結集した建物が多く見られます。御影堂や阿弥陀堂、飛雲閣、唐門といった建物が代表的ですが、いずれも壮大さと豪華絢爛な装飾が特徴です。


特に御影堂と阿弥陀堂は、どちらも西本願寺の中心となる建物で、1000人程度の人員を収容できるほど大きいため、実際に目の前に立ってみるとその大きさに驚かされます。なお阿弥陀堂の内部と飛雲閣は2019年9月現在改修工事中です。2022年3月に終了予定で、改修後は今よりいっそう美しい姿になっていることでしょう。。この他に書院も拝観できますが、事前の予約が必要なのでお気をつけ下さい。
■住所:京都府京都市下京区堀川通花屋町下る
■アクセス:
・京都駅より市バスで「西本願寺前」停留所下車すぐ
・阪急京都線河原町駅より市バスで「島原口」停留所下車すぐ
・京阪本線七条駅より市バスで「七条堀川」停留所下車すぐ
東寺


京都駅より南側、国道1号線沿いにある真言宗総本山のお寺です。もともと796年に朝廷が平安京の守りを願って建てたお寺でしたが、その後中国から真言宗をもたらした弘法大師空海が与えられて、真言宗の寺院となりました。ちなみに正式には「教王護国寺(きょうおうごこくじ)」と呼ばれ、「東寺」は朱雀大路の東側にあったことからつけられた通称でした。


代表的な建物として国宝である金堂や、重要文化財の講堂、僧侶の食事の場である食堂(じきどう)、そして五重塔があります。特に五重塔は東寺のシンボルといえる建物で、木造の仏塔では日本で一番の高さを誇ります。また講堂には21体もの仏像があり、真言宗で説かれている仏教の世界観を体感できます。
渉成園(しょうせいえん)


東本願寺から烏丸通りを経てさらに東側にある庭園で、東本願寺の飛び地となっています。江戸時代の1641年に時の将軍だった徳川家光から与えられた土地を別邸として活用したのが始まりです。なお渉成園のあった土地は、『源氏物語』の主人公である光源氏のモデルとなった源融(みなもとのとおる)の屋敷があったともいわれています。与えられた土地には建物や庭園が形成され、特に庭園は江戸時代の面影をそのまま残しているという意味で貴重です。


渉成園ではさまざまな植物が植えられているため、四季を通じて花々を楽しめます。おすすめなのが春で、梅や桜だけではなくカラタチも多く植えられています。渉成園はカラタチが特に多いことから「枳殻(からたち)邸」の別称があるほどです。カラタチは4月の終わりごろに咲くため、この時期の参観がおすすめです。
■住所:京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町
■アクセス:
・京都駅より徒歩10分
・地下鉄 五条駅より徒歩7分
・市バス 烏丸七条駅より徒歩5分
■拝観料:大人500円、高校生以下250円
京都鉄道博物館


JR西日本が運営している鉄道博物館で、もともとあった梅小路蒸気機関車館をリニューアルする形で2016年4月にオープンしました。館内には歴代の新幹線車両やかつて国内各地の在来線で走っていた特急車両などが展示されています。実際の車両の中に入って座ったり触ったりできるのが大きな特徴です。


京都鉄道博物館でおすすめなのが、梅小路運転区に所属する蒸気機関車の点検作業を実際に見ることができる点です。かつて多くの蒸気機関車がこの運転区を拠点に活動していたこともあり、実際にこれらの蒸気機関車が蒸気を出しているところも見ることができます。
ほかにも館内にあるスカイテラスからは、現役で走る新幹線や特急、普通列車などを間近で見られるのもポイントです。京都駅は列車の発着本数が非常に多いため、見ていて飽きることがありません。鉄道好きな方にはたまらないスポットです。
■住所:京都府京都市下京区観喜寺町
■アクセス:
・JR嵯峨野線梅小路京都西駅より徒歩2分
・京都駅より徒歩20分
■入館料:一般1200円、大学生・高校生1000円、小中学生500円、3歳以上の幼児200円
伏見・宇治エリア
京都市中心部の南東に位置する伏見・宇治エリアは、山が迫ってきている分、山全体に神社やお寺があるところが多いです。世界遺産に指定されているところも多いため、見ごたえがあります。
伏見稲荷大社


日本全国にある稲荷神社の総本社で、「お稲荷さん」の愛称で知られています。京都駅から見て南東の稲荷山にある神社で、創建は奈良時代に入って間もない711年です。祭神である稲荷大明神は、古くは農業関係の神様としてまつっていましたが、今では商売繁盛や家内安全などのご利益があるとみなされています。


伏見稲荷大社で有名なのが、千本も連なっている鳥居です。この鳥居はただ目立つためだけに設けられたのではなく、江戸時代に稲荷大明神のおかげで願いが叶ったことに感謝して鳥居を奉納した結果、ここまで多くの鳥居を持つ神社になったのです。また狛犬や絵馬も稲荷大明神にちなんでキツネであるところも特徴です。
さらに大社の奥にそびえる稲荷山を回るお山めぐりもポイントの1つです。1周で2時間ほどですが、開けたところからは伏見や京都の街並みを一望できます。ほかにも一ノ峰上社をはじめあちこちに社があるため、回ってみるとご利益が期待できるでしょう。門前にはいなりずしが食べられるお店が多いため、稲荷大社がある土地ならではの味も堪能してみてください。
寺田屋


京都市伏見区と宇治市の境目近くにある旅籠旅館です。幕末の英雄である坂本龍馬が京都に滞在している間に常宿として使っていたことや、1866年に龍馬が伏見奉行所の襲撃を受けた寺田屋事件の舞台になったことで知られています。ほかにも同じ寺田屋で1862年に薩摩藩士の内輪もめで起こった寺田屋騒動の舞台にもなりました。


このように幕末の動乱を経験してきた寺田屋には、当時の面影や痕跡を今に伝えています。まず門には龍馬が襲撃された際の刀傷や銃弾の跡がはっきりと残っているため、寺田屋に着いたらまずチェックしてみましょう。最もおすすめなのが龍馬が実際に泊まったといわれている梅の間で、龍馬やその妻お竜の写真をはじめ、生前の彼らを偲ぶ文物が展示されています。
ちなみに寺田屋は見学だけではなく、宿泊もできます。宿泊の時間や料金は以下をご参考ください。建物の見学や食事をしたりしながら、龍馬たちが活躍した幕末に思いを馳せてみてはどうでしょうか。
■住所: 京都府京都市伏見区南浜町263
■アクセス:
・近鉄奈良線桃山御陵前駅より徒歩10分
・京阪本線中書島駅より徒歩5分
■見学料金:大人400円、中学生以上の学生300円、小学生200円
■宿泊時間:チェックイン:18時~20時/チェックアウト:9時まで
醍醐寺


京都の東側の山科から南へ行ったところにある、真言宗醍醐派の総本山で、世界遺産にも登録されています。平安時代の874年に創建されました。醍醐天皇の祈願寺になったこともあり、朝廷から厚い保護を受けて醍醐山全域を境内にするほどまでに発展しました。豊臣秀吉が1598年に花見を催したところでも有名です。


おもな見どころは醍醐山の麓にある下醍醐エリアで、金堂や三宝院、五重塔など醍醐寺を代表する建物が建っています。特に五重塔は平安時代に建てられた状態のまま残っているため、一目見ておくべきでしょう。
ほかにも秀吉が生涯最後の花見を行った場所だけに、境内には1000本もの桜が植えられています。ソメイヨシノや八重桜などさまざまな種類の桜が咲き、特に霊宝館や三宝院に咲く枝垂桜は美しいトンネルを作り出すので、春先の拝観がおすすめです。、その際は豪華絢爛な建物群も一緒に観ると、より一層美しい景色を楽しんで頂けるでしょう。
■住所: 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
■アクセス:地下鉄東西線醍醐駅から徒歩約11分
■拝観料:大人1500円、中高生1000円、小学生以下無料(春季・秋季)※春季・秋季以外は料金が異なります
■上醍醐エリアへの入山料:大人600円、中高生400円、小学生以下無料(拝観券がある場合100円引き)
法界寺


伏見区でも山側、醍醐寺より南側にあるお寺です。浄土真宗の開祖である親鸞聖人や、足利義政の正室である日野富子など日本の歴史に多くの足跡を残した日野家の菩提寺で、平安時代の1051年に建立されました。なお親鸞聖人が生まれたのがこのお寺であるともいわれています。


法界寺の見どころは、国宝とされている阿弥陀堂や、本尊として安置されている阿弥陀如来像です。このお寺が建てられたころの日本は浄土信仰が広まり始めた時代で、それに伴い阿弥陀堂も各地で建立されました。法界寺にある阿弥陀堂はやや遅れて鎌倉時代に建立されましたが、阿弥陀如来像は平安時代後期の浄土信仰が広まったころの作とされているため、ぜひ見ておくと良いでしょう。
法界寺
■住所: 京都府京都市伏見区日野西大道町19
■アクセス:地下鉄東西線石田駅から徒歩18分
三室戸(みむろど)寺


宇治市でも中心部より少し東側にあるお寺で、奈良時代または平安時代に開かれたと伝えられています。三室戸寺の見どころは、境内に咲く花々です。境内にある与楽園には5月に咲くツツジや6月に花をつけるアジサイ、7月にはハスが咲き誇ります。また春の桜や秋の紅葉の名所としても有名です。


中でもアジサイについては非常に有名で、「あじさい寺」の別名があるほどです。滅多にないハート型のアジサイの花を見つけると、恋が成就するという言い伝えもあります。もし見つからなくても、絵馬やお守りがハート型のアジサイを象ったものなので、それらに願いを込めると良いでしょう。花が好きな方にはたまらないスポットです。
■住所: 京都府宇治市莵道滋賀谷21
■アクセス:京阪宇治線三室戸駅から徒歩15分
■拝観料金:
通常期:大人500円、子供300円
あじさい園開園中:大人800円、子供400円
宝物館(毎月17日9時~9時20分):500円
平等院


宇治エリアで最も代表的なお寺で、世界遺産にも登録されています。特に鳳凰堂は10円玉にも刻印されるほど身近な存在です。もともと9世紀末に『源氏物語』の主人公光源氏のモデルとなった源融の別荘があったところでしたが、100年ほど経って藤原道長が所有するようになって、息子の頼通が受け継ぎました。そして1052年に別荘を寺院にしたうえで、現世の極楽浄土を体現するために建てられたのが平等院です。


見どころはやはり中心といえる鳳凰堂で、池の中にある島に建てられたその姿は水面で雄大に翼を広げる鳳凰を思わせます。中にある大きな阿弥陀如来像や建物の随所に見られる朱色は藤原氏の権勢を偲ばせてくれるものです。
ほかにも保存されている貴重な文化財を展示している鳳翔館や、春の桜や初夏の藤棚も見ごたえがあります。
■住所: 京都府宇治市宇治蓮華116
■アクセス:
・JR奈良線宇治駅から徒歩10分
・京阪宇治線宇治駅から徒歩9分
■拝観料金:
庭園+平等院ミュージアム鳳翔館:大人600円、中高生400円、小学生300円
鳳凰堂:300円
宇治上神社


平等院から宇治川を挟んで対岸に鎮座する神社です。創建された年代は不明ですが、遅くとも平安時代の927年には存在していたといわれています。平等院とともに世界遺産に登録されているものの、宇治エリアでは穴場スポットとなっています。


宇治上神社の特筆すべき点は、本殿が現存する神社建築では国内最古のものである点です。この本殿は平安時代後期に建てられたものですが、この時期に建てられた多くの神社がその後何らかの理由で再建されたものであることから、大変貴重な存在といえます。また本殿の前にある拝殿も、平安時代に貴族の邸宅で一般的だった寝殿造の様式を今に伝えていて見ごたえのあるものです。神社と、平安貴族の邸宅の両方の雰囲気を味わいたい方におすすめの場所でしょう。
大原・鞍馬・貴船エリア
京都市中心部よりも山に囲まれて奥まったところにあるため、「京都の奥座敷」と呼ばれているエリアです。ここには古くから都の喧騒を逃れてきた人々に親しまれた寺社仏閣があります。
大原三千院


京都の北、大原エリアを代表するお寺で、もともとは天台宗を伝えた伝教大師最澄が8世紀から9世紀にかけてこの地にお寺を構えたのが始まりです。その後都の騒がしさを逃れて大原に移る皇族や貴族が増えるにつれて、三千院に入って修行を積む人々も増えていきました。


おすすめの場所が、御殿門から入ってすぐのところにある聚碧園(しゅうへきえん)です。客殿の縁側からは、池に囲まれた緑の豊かな庭園が広がっています。春には桜が咲き、秋には紅葉が見ごろとなりますが、同時に周りの山々と溶け合っている風景であるため、心を落ち着かせられる場所となっています。客殿ではお茶とお茶菓子もサービスしてもらえるため、口にしながらまったりすれば日ごろの悩みや疲れを忘れられるでしょう。


ほかにも境内のあちこちには、わらべ地蔵と呼ばれる柔和でユニークな表情をした地蔵が立っています。苔と見事に調和しているその姿は、聚碧園の風景とともに疲れ切った心を癒してくれることでしょう。日ごろの喧騒を忘れて自然の中で心を研ぎ澄ませ、癒しを得たい方におすすめです。
寂光院


三千院とともに大原を代表するお寺で、三千院からは国道367号線を挟んだ向こう側(西側)にあります。聖徳太子の時代に創建されたと伝わっていますが、古くから多くの高貴な身分出身の女性が修行に励んでいた尼寺としても知られています。特に平安時代末期、平家が壇ノ浦で滅んだ後に平清盛の娘・建礼門院徳子が侍女とともに入り、滅んだ一門を供養しながら余生を送ったことは非常に有名です。


本堂の周りの庭園が見どころで、左手の方には姫小松と呼ばれる松の木が植えられています。この木は『平家物語』でも後白河法皇の大原御幸のくだりなどで登場するため、山奥のお寺で滅んだ平家一門を供養する建礼門院の思いにも触れてみてはどうでしょうか。なお秋の紅葉もとてもきれいで、周りから見ても映えるような赤色を作り出すほどです。
貴船神社


京都から見て真北、鞍馬のさらに奥の貴船地域にある神社で、縁結びと水の神様で知られています。創建の年代は今でも明らかになっていませんが、白鳳6年年に建て替えられた記録があるため、7世紀にはすでに神社として存在していたといって良いでしょう。ちなみに「貴船」はもともと「気生根」と書いて、「気が生じる場所」を意味していたことからパワースポットとしても有名です。


本宮では水関係や、さまざまな人やモノとのつながり関係の祈願をしたい方が大勢参拝しに来ます。もし恋愛関係の祈願をしたいのであれば、さらに奥にある結社がおすすめです。平安時代六歌仙の1人である和泉式部もここで祈って恋愛が成就したいわれがあり、彼女が残した歌の碑も合わせて見ていくと良いでしょう。この他にも境内の森の中には心洗われるような気持ちの良い空気が漂っているため、日常に疲れ切った心を癒すには最適です。
鞍馬寺


貴船の手前にある鞍馬地区を代表するお寺で、奈良時代から平安時代にかけて創建されました。お寺のある鞍馬山自体が霊山とされているうえ、古くから山の精霊である天狗が住んでいると信じられてきました。源義経の少年時代である牛若丸が、天狗とともに修行に励んだのは有名な伝説です。なお鞍馬寺では参拝の交通手段として、ケーブルカーも運行されています。


鞍馬寺でおすすめの場所は、九十九(つづら)折りの参道です。ここは登山道となっていて、牛若丸が天狗とともに修行した伝説を追体験できるでしょう。また霊宝殿には鞍馬寺で保存されている仏像などの文化財が豊富に展示されています。建物は再建されたものばかりですが、仏像などは古くからあるものを多く保存してあるため、十分見ておく価値があります。
■住所: 京都府京都市左京区鞍馬本町1074
■アクセス:叡山電鉄鞍馬駅より徒歩16分
■拝観料:
・愛山費:300円
・ケーブル寄進料(片道):大人200円、小学生100円
・霊宝殿入館料:200円
たくさんある京都の王道観光スポットをじっくり味わおう
京都は日本を代表する観光都市であるだけに、数えきれないほどの観光スポットがあります。さらに京都自体がとても広いため、どこに何があるのか分かりにくいでしょう。
しかし今回の記事を役立てていただければ、どのエリアにどのような観光スポットがあるのかが分かります。ぜひとも京都観光の際にはこの記事をフルに活かして見てください。ただ京都は観光スポットが非常に多いため、一度にあれもこれもと欲張ることなく、1つずつじっくり味わうことも重要です。